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自作PCをもっとよくするために厳選されたテクニックを身に着けよう！

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TEXT：保坂陽一

準備編

買う前・組み立てる前にコレだけは押さえておきたい！

自作のテクニックとは、なにも組み立てやパーツの扱い方だけではない。組み立てる前に知っておいたほうがよいことや、準備しておくべき物もたくさんある。パーツ選びが自作の醍醐味の一つなら、購入時にも技はあるのだ。ここではまず、そういった組み立て前のテクニックをピックアップしてみよう。

001
基本

賢く調べて、賢く買おう！

　今ではPCパーツのインターネット通販が一般的になり、PCショップ店頭に足を運ばなくとも、全国どこでも最新パーツを手に入れることができる。しかし、店頭には店頭にしかないメリットも多い。インターネットでは各ショップのWebサイトだけでなく、価格比較サイトなどを使って、最安値を家に居ながら調べられる。相場を調べるにもうってつけだろう。逆にショップでは、実際に商品に触れることができるだけでなく、店員さんから情報を仕入れることもできる。掘り出し物などを見付ける楽しさを味わえるのも店頭ならではのことだ。

　また、パーツの中でも通販向き、店頭向きというものがある。CPU、マザーボード、ビデオカードなどのリテール製品は、基本的にどこで購入しても物は同じだ。こうしたものは通販を使って手に入れ、ケースなどの触れてみなければ分かりにくいものは店頭で見てから購入、という使い分けもありだろう。店頭でも宅配サービスが利用できるので、うまく活用してもらいたい。

通販で買う
ショップのWebサイト（左）では欲しいパーツの値段がすぐに分かり、家に居ながらパーツを手に入れられる。coneco.netのような価格比較サイト（右）も活用して賢く買おう

店頭で買う
Webサイトの情報だけでは、実際にどんな製品なのか分からないこともある。とくにケースなどがそうだ。こういった製品は店頭で触れてみれば一目瞭然。店頭には最新の生きたパーツ情報があふれており、通販メニューには載っていない特価品も多い

002
基本

ネジやケーブルは買わないとダメ？

　基本的に組み立てに必要なネジやケーブルなどは、ケースやマザーボードに付属しているもので十分まかなえるはずなので、ひとまず購入する必要はない。ただ、HDDを2台、3台と増設するのなら、その分のSerial ATAケーブルなどが必要となるし、PCショップで販売されているケース付きのネジセットは、ネジを管理するのに便利なので、買っておいて損はない。

ネジやケーブルはひとまず各パーツに付属しているものでOK
ネジセットは1,000円もしないが、基本的にはケースなどに付属しているもので組み立ては可能だ

003
基本

お得なDSP版Windowsを購入しよう

　PCショップでは、通常パッケージ版とは違う、DSP版と呼ばれるWindowsが販売されている。PCシステムの付属品としてのみ販売が許可されているので、なんらかのパーツと同時に購入する必要があるが、通常版より格段に安価で、機能は同等である。同時購入したパーツを搭載したPCだけにインストールできるというライセンス上の制限があるものの、新規にWindowsマシンを作る際には忘れず入手しておきたい。

Microsoft

Windows Vista Ultimate SP1 DSP版

実売価格：25,000円前後

URL：http://www.microsoft.com/japan/

通常版より1万円以上安く手に入る！
パーツとの同時購入が前提だが、ショップでは特定のパーツとの同時購入でオマケを用意しているところもあり、さらにお得に購入できることも。コンパクトな簡易パッケージもうれしい

004
中級

相性交換保証を活用しよう

　さまざまなメーカーの製品を組み合わせる自作PCだけに、どうしてもパーツの相性による不具合というものは存在する。この相性問題には「あるマザーボードでスロットの規格があっているビデオカードが動作しない」といった電気的な問題だけでなく、「あるマザーボードとビデオカードの組み合わせではシャドーベイと干渉して一部のケースに収まらない」などといったものも含まれる。こうした場合、初期不良交換としてショップに持ち込むことはできない。かと言って、ほかのパーツに買い換える（買い足す）というのは、予算的にもつらいところだ。そんな状況を打破するべく生まれたサービスが「相性交換保証」というものである。

　最近ではいずれのショップもなんらかの形でこのサービスを行なっており、パーツ購入時にいくらかの掛け金を支払うことで、相性が原因で動作しなかった場合のパーツ交換に応じてくれる。そのショップにどういったサービスがあるか、購入前によく確認しておこう。パーツの中でも相性問題がよく起こることで知られるメモリなど（もっとも、多いのは安価なバルク品などだが）は、これを活用しておくと安心だ。九十九電機の「パーツ交換保証」では、購入時に規定の料金を払うと、使ってみて性能に満足できないというだけの理由でも期間内なら交換可能となっており、うまく活用すれば、実際にテストしながら自分に最適なパーツを見付けることが可能だ（交換するパーツの差額は払う必要がある）。すべてのパーツに対して適用する必要はないが、メモリ以外には電源などでもお勧めである。

非常に便利な相性交換保証
パーツの相性というのは、インターネットなどで情報を手に入れることもできるだろうが、無数にあるパーツの組み合わせを把握するのは難しい。購入時に掛け金は必要だが、原因不明のトラブルでも気兼ねなく持ち込めるというのはよい

メモリや電源、マザーボードなどで使うと効果的
相性問題がきわめて少ないCPUやドライブ類はよいが、メモリや電源、マザーボードなどは相性交換保証の適用を考える価値あり。ケース形状の問題で取り付けられないといった不具合でも応じてくれるショップもある

005
基本

購入店の初期不良対応期間とメーカー保証期間を確認する

　自作PCではメーカー製PCのようなサポートは受けられないが、パーツ個別のメーカーや購入店サポートが受けられる。そこで重要になってくるのが、初期不良対応期間（購入から数日～1カ月程度）とメーカー保証期間（購入から数カ月～数年程度）だ。万が一初期不良が発覚した際には、期間内であれば購入店へ持ち込めば大丈夫。その期間が過ぎてからの故障でも、メーカーや販売代理店で修理、交換などの対応を受けられる。保証を受ける際には、購入時の領収書や保証書を提示する必要があるし、パーツの付属品もすべて揃えておく必要がある。

領収書や保証書はなくさないように確実に保管する
領収書が保証書代わりというショップは多いので、非常に重要。各パーツに含まれる保証書も大事だが、パッケージそのものがなければサポートを受けられないことも多いので要注意である

006
基本

パッケージはなるべく捨てずに保管する

　005の続きとなる話だが、パーツを個別に購入する自作PCでは、パーツを取り出した後のパッケージがジャマになることが多い。すぐ処分したくなるのは分かるが、ちょっと待ってほしい。005でも述べたようにパッケージそのものが保証対象に含まれていることが多いのだ。できれば保証書とともに、パッケージもメーカー保証期間内は保管しておくのがベストである。ATXケースの箱なら、パーツ一式分のパッケージや付属品をまとめて整理しておくにはピッタリなので、多少場所を取っても残しておくことをお勧めしたい。