その他の特集(2011年) | |||
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TEXT:宮崎真一 | ||||||||||||||
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マザーボードの冷却は、オーバークロックなど性能に直結するケースが多いほか、搭載パーツの寿命も熱により左右される。本項を読んで冷却への最適な方法を見きわめよう。 | ||||||||||||||
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一昔前のマザーボードは、チップセットに小口径の高速回転ファンを搭載しているものがほとんどで、マザーボードも主要な騒音源の一つと見なされていた。 しかし、近年ではユーザーの静音志向が高まり、ファンレスタイプのマザーボードがほとんどを占めている。とくにハイエンドクラスのマザーボードではVRMとNorth Bridge、それにSouth Bridge上のヒートシンクをヒートパイプで結んだ「ヒートパイプ式クーラー」を採用するものが多い。このタイプのメリットは、冷却にCPUクーラーのエアフローを利用できる点で、これによりヒートシンクにファンを搭載することなく十分な冷却効果が得られるというわけだ。一方、ミドルレンジやローエンド向けのマザーボードではほとんどヒートパイプが使われておらず、ヒートシンクのみを装着した製品が多い。この場合さすがにヒートパイプを搭載した製品より冷却性能は劣るものの、オーバークロックなどを行なわず、通常用途で使うのであれば問題はない。マザーボードの静音性は昔に比べるとかなり向上しているのだ。 ただし、ハイエンド志向の製品では発熱や消費電力は増加する傾向にある。その一つが、過剰にも思えるオンボードデバイスの搭載だ。コントローラチップとそれに付随する部品点数が増えるため消費電力が増大し、それに伴い発熱も少なからず増す。マザーの消費電力が気になるのであれば、必要最小限の機能を搭載した製品を選ぶほうが得策だろう。 また、最近は省電力機能を搭載するマザーボードが増えつつある。これは、VRMなどのフェーズ数をソフトウェアが自動的に適宜制御することでマザーボード自体の消費電力を抑えるというもの。消費電力の低減は同時に発熱量の低下にもつながり、VRMの冷却という面でもメリットが得られるというわけだ。なかでもMSIはDrMOSというユニークなチップを採用し、VRMの効率化と低発熱性をアピールするなど、高い省電力効果をうたっている。 |
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昔のチップセットファンは騒音源 昔のマザーボードではチップセットの冷却にファンを搭載していたものが多かった。その大抵のファンは小口径かつ高速回転であり、冷却性能は高かったが、騒音はかなりのものだった |
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ヒートパイプ式クーラー VRMとチップセットに装着されたヒートシンクをそれぞれヒートパイプで結んだ冷却機構を備えるマザーボードも少なくない。ファンを必要としないため、冷却性と静音性を両立できる |
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メーカー独自の省電力機能 省電力機能を備えるマザーボードが増えつつある。写真はMSIのDrMOSチップ。VRMのドライバICとPower MOS FETを一つのパッケージにすることで高効率化および発熱量の低減を果たしている |
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マザーボードの発熱部位を知れば、効率のよい冷却方法を意識的に考えながらPCを組み立てられるようになる。冷却は自作における重要なテクニックの一つ。本項でしっかりと学んでいこう。 まずは、マザーボードにおける発熱の大きい箇所を知っておく必要がある。第一に挙げられるのがCPUの電源回路となるVRMだ。IntelのCore 2 Extremeシリーズなど、ハイエンドクラスのCPUは動作クロックが高いこともあり、TDPもそれに応じて上昇する。マザーボード側もその仕様に耐えられるようにVRMを設計する必要があり、フェーズ数を増やすなど、強化が施されることになる。ただし、フェーズ数の増加によってCPUの安定動作は得られるものの、その分消費電力が増してしまうということも知っておこう。 第2の冷却ポイントはチップセットのNorth Bridgeだ。North Bridgeは、マザーボードの中枢をになう部分であり、システムバスやメモリバス、PCI Expressバスが直結しているため、VRMと同じく大きな熱を発しやすく、重要な冷却部位になる。また、グラフィックス機能を備えた統合型チップセットではGPUを内蔵している分発熱が増すことになる。 North Bridgeほどではないが、South Bridgeも発熱しやすい箇所の一つだ。とくに場所的にビデオカードなどと近接しやすく、外部パーツからの熱を受けやすい配置になっているので、注意しておきたいところだ。 |
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マザーボードはここが熱くなる! | ||||||||||||||
(1)VRM | ||||||||||||||
CPUへの電力供給をになうVRM。CPUは消費電力が大きく、必然的にVRMに流れる電流量も多くなってしまう。そのため、VRMで発生する熱量はかなりのものになり、なかでもVRMで利用されるレギュレータ部分はそうとう熱くなる | ||||||||||||||
(2)North Bridge | ||||||||||||||
チップセットのNorth Bridgeは、メモリやPCI Express、それにシステムバスの制御を行なうため、かなり熱くなってしまう。グラフィックス機能内蔵ならなおさらだ | ||||||||||||||
(3)South Bridge | ||||||||||||||
South BridgeはNorth Bridgeよりも発熱は少ないが、Serial ATAやLANなどの制御を行なう重要な部分であるため、冷却は忘れないようにしたい | ||||||||||||||
VRMには風を当てる | ||||||||||||||
ヒートパイプを利用した冷却機構を備えるマザーボードの場合、いずれもVRMにはかなり大型のヒートシンクが装着されている。この機構ではCPUクーラーのエアフローを利用して冷却を行なうため、ヒートシンクに風が当たらなければVRMの十分な冷却は期待できない。なお、ASUSTeKの一部のマザーボードでは、VRMのヒートシンクに装着するオプションクーラーを添付しており、エアフローをうまく得られない場合でも冷却を可能にしている。CPUに同梱されているリテールクーラーを使うのであれば問題ないが、サイドフロータイプのクーラーに換装する場合などは、VRMにしっかり風が当たるかどうか注意を払いたいところ。 | ||||||||||||||
ASUSTeKの一部製品では、エアフローが得られない場合の対処策として、VRM用のファンを添付している | ||||||||||||||
各種クーラーの干渉に注意 | ||||||||||||||
North Bridgeの冷却もVRMと同様に、CPUクーラーのエアフローが利用される。最近ではNorth Bridgeに備え付けられているヒートシンクが巨大化しつつあり、放熱面積が増える分冷却面では有利になっているが、ほかのパーツとの干渉に注意する必要がある。たとえば、大型のヒートシンクを備えたサードパーティ製のCPUクーラーなどでは、その大きさのあまりチップセットクーラーに干渉してしまい、うまく取り付けることができないといったシーンがたびたび起きる。また、ファンレスクーラーを搭載するビデオカードなどで、カード裏面に放熱フィンを搭載するタイプのものだと同じく干渉の可能性がある。換装前にショップなどで確認しておく必要があるだろう。 | ||||||||||||||
大型のチップセットクーラーを採用したマザーボードだと、ほかのパーツとの干渉が発生する場合がある | ||||||||||||||
耐熱性の高い固体電解コンデンサ | ||||||||||||||
マザーボードに実装されている部品の中で、とりわけ熱に弱いものが「コンデンサ」だ。化学反応の温度依存性を数式化したアレニウスの法則によると、コンデンサの寿命はそれ自体の温度が10℃上昇するごとに半分になってしまうと言う。マザーボードには多くのコンデンサが利用されているが、VRMなど比較的発熱の大きい箇所に配置されているコンデンサであれば、当然その周囲の温度が上昇しやすい分、コンデンサの寿命が短くなってしまう。ただし、近年、熱に対して高い耐久性を持つコンデンサとして「固体電解コンデンサ」が使われるようになっており、一昔前のようにアルミ電解コンデンサが破裂してしまうなどといった事故も起きにくくなってきている。 | ||||||||||||||
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