その他の特集(2011年) | |||
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TEXT:鈴木雅暢 | |||||||||||||||
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CPUはビデオカードと並ぶ大きな熱源であり、その放熱を担当するCPUクーラーはPCの中でも大きな騒音源である。CPUの静音化は効果もはっきりと現われやすい。 | |||||||||||||||
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CPUの発熱が大きいことはよく知られているが、CPUの種類やグレードによって発熱はずいぶん違ってくる。静音化をしやすくするためには、もともと発熱の小さいCPUを使うほうがよい。CPUの発熱量は公表されていないし、正確に計測するのも困難だが、発熱は消費電力に比例するので、消費電力=発熱と考えても差し支えない。 CPUの消費電力を知るには、PCメーカー向けに公表されているTDP(Thermal Design Power=熱設計電力)が一応の目安になる。これはPCを設計する際に前提とするべきCPUの熱量を示すものである。CPUの発熱は、動作クロック、コア数、製造プロセスルールなどといった要素に左右されるが、もっとも影響が大きいのはコアの数だろう。 ここで言う「コア」とは、CPUの計算を行なう部分のことだ。かつてはCPU一つにコアは一つだったが、今は一つのCPUに二つのコアを内蔵するデュアルコアと、四つのコアを内蔵するクアッドコアの2種類が主流になっている。コアは多いほうが性能も高いが、ピーク時の消費電力も高い。現在主流のデュアルコアであるCore 2 DuoでTDP 65W、クアッドコアのCore 2 QuadはTDP 95Wと、TDPでもはっきり違いがある。 |
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では、TDPが同じCPUは消費電力が同じかと言えばそうではない。TDPは上限値のようなものであるため、かなり大雑把にしか分類されていない。とくにIntel CPUの「TDP 65W」の範囲はかなり広く、実際の消費電力は動作クロックが高いほど大きく、製造プロセスルールが45nmか65nmかによってもかなり違う。プロセスルールとは、簡単に言えば製造技術の違いだ。Intelの45nmではHigh-k絶縁膜、メタルゲートといったリーク電流(スイッチがOFFのときでも漏れてしまう電流)の低減技術が盛り込まれている点が大きなポイントで、前世代の65nmに比べてかなりの省電力化につながっている。 下のグラフには、代表的なCPUの実測の消費電力を掲載しているが、同じTDP 95WのCore 2 Quadながら、45nm世代のQ9000シリーズのほうが65nm世代のQ6000シリーズよりアイドル時・高負荷時ともに断然低いことが分かるだろう。また、同じCPUであれば消費電力は動作クロックに比例し、動作クロックが低ければ低いほど実際の消費電力も低い。Core 2 Duoの廉価版でクロックも低いPentium Dual-CoreやCeleron Dual-CoreのTDPも65Wだが、こちらはCore 2 Duoよりもさらに低消費電力となっている。 また、TDPが同じでもIntelとAMDではずいぶんと基準が違う。現行製品ではAMDのほうがTDPの数値から受ける印象よりも、実際の消費電力/発熱は高い傾向がある。とくにクアッドコアのPhenom X4、トリプルコアのPhenom X3の消費電力は実際に計測するとかなり高く、TDPの数値の5割増くらいで考えてもよいだろう。Phenom X4にはモデルナンバー末尾に「e」の付いたTDP 65W版もあるが、同じTDP 65WのAthlon X2やIntelのCPUと比べれば明らかに消費電力が高い。Athlon X2にはTDP 45Wモデルもあるが、IntelのTDP 65Wの低クロック品などと比べると消費電力にあまり違いはない。もっとも、これについてはIntelがあえて「TDP 45W」という基準を作らずに細かく分類していないだけとも言える。 |
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簡素になったリテールクーラー Intelの65nm世代CPUに付属していた純正クーラー(左)は中心部に銅が入った大型のヒートシンクが使われていたが、45nm世代のCore 2 Duoやクロックの低いPentium Dual-Coreなどに付属するクーラー(右)は背が低く、中心部もアルミと低コストな作りになっている。それだけ要求される放熱能力が低いということを示している |
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【検証環境】 マザーボード:GIGABYTE GA-EP35-DS3R(Intel P35+ICH9R)【LGA775環境】、GIGABYTE GA-MA790FX-DQ6(AMD 790FX+SB600)【Socket AM2環境】 メモリ:CFD販売 D2PC2-800-2G(PC2-6400 DDR2 SDRAM、CL=6、2GB)×2 ビデオカード:XFX PV-T94P-YDD4(NVIDIA GeForce 9600 GT) HDD:Western Digital WD Raptor WD1500ADFD(Serial ATA 2.5、10,000rpm、150GB) 電源:Seasonic M12 SS-700HM(700W) OS:Windows Vista Ultimate SP1 |
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静音化を進める際に気になるのがCPU温度だ。静音化のアプローチとしては、静音CPUクーラーに交換したり、ファンレスにしたりといったことが考えられるが、それで十分な放熱能力が確保できているのかといったことが不安になる。フリーソフトの「Core Temp」などを使えばCPUの温度を見ることができるが、一体どのくらいの温度が適切なのだろうか。 CPUの耐熱温度の目安としては、データシートに記載されている「Tcase(Tc)」という値があり、Core 2 Duo E8000シリーズでは72.4℃だ。これはCPUパッケージの中心部の最大許容温度で、これより低い温度であれば問題ないことになる。しかし、CoreTempの値は「DTS(Digital Thermal Sensor)」と呼ばれるレジスタ内に格納されている温度情報の値をソフト側で補正した値である。従来からあるサーマルダイオードを利用した方法よりは、DTSのほうがCPUコアに近い位置の温度を出力でき、デジタルのためノイズなどによって値が狂うこともないのだが、いずれにしてもこの仕組はCPUクーラーのファン制御、またCPU温度が基準を超えて上昇したときに保護機能を作動させるために用意されたもので、出力されるのは相対的な値だ。それをソフト側で補正してそれらしい値を表示しているのだが、基準値はCPUごと(個体差もあるようだ)に違うため絶対値としては信用できず、これをTcaseの温度と比較してもあまり意味がない(ごく大雑把な目安にはなる)。 一番確実なのは、純正CPUクーラー利用時の温度を目安にすることだろう。サーマルダイオードやDTSの数値も、同じCPUと同じマザーボードを使う限りは相対的な比較には使えるので、純正CPUクーラーを利用して上記のようなソフトで計測し、静音化後にそれ以上にならないようにすればよいだろう。 |
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CPUのコア温度を計測 「Core Temp」はDTS方式にいち早く対応した温度表示ソフト。バージョンアップで補正値を調整しているので、最新CPU以外であればある程度目安になる温度を表示してくれる |
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