DOS/V POWER REPORT | Impress Japan

トップ
> 第1特集
> 自作PCパーツ完全購入ガイド2008年夏

その他の特集（2011年）

激突！Bulldozer vs. Sandy Bridge

震撼性能！　Sandy Bridgeに死角なし!!

＊ユーザー登録からアンケートページへ進んでください。

＊プレゼントの対象は「最新号購入者」のみとなります。

TEXT：保坂陽一

静音重視か？冷却重視か？自作PCの顔には機能も重要

PCケース編

■ 見た目を取るも、将来性を取るもユーザーしだい

　PCとしての見た目はもちろん、各パーツを保護し、内部パーツの冷却などさまざまな機能を備えたPCケース。まずPCケース選択時の最低条件と言えるのは、各種パーツを収められるだけの拡張性を備えていることだ。いかにデザインが気に入ったとしても、使ってみたらドライブベイが少なくて後悔、というのは寂しい。最近はビデオカードの大型化などで、ケースの奥行きなども重要になっており、実際の使い勝手と自分の使い方をよく考えてみる必要があるだろう。逆に用途がはっきりしているならムダに大きなものを選ぶ必要はないとも言える。

　また、ケースの材質や剛性も重要なポイントで、スチール製やアルミ製といった違いだけでなく、その厚みなどによっても冷却性能や立て付けのよしあしなどが変わる。剛性の違いは静音性にも大きくかかわってくる重要ポイントだ。価格の差というのはデザインよりもむしろこういったところに現われてくるので要注意である。

　ケースは静音重視型、冷却重視型などさまざまなタイプがあるが、それぞれ欠点を補う工夫が施されており、一概にどれがベストとは言えない。自分だけの1台を見付けたいという人でも、人気の製品は現在のPCパーツ事情に配慮したものが多いので、トレンドの確認も兼ねてチェックしてみることをお勧めする。

購入のポイント 1 デザイン＆拡張性

PCケースのデザインはもちろん重要。しかし、対応するフォームファクターやドライブベイの数も同じように重要だろう。また、奥行きの短いケースでは、大型のビデオカードなどで苦労するし、電源の配置によっては配線の取り回しにも苦労することになる。最新の人気製品が必ずしもよいと言えないのがPCケースのおもしろいところだ。

内部の広いケースはドライブベイ数も多く、作業性もよい（省スペースではないが）

購入のポイント 2 冷却性能

ケースの内部冷却機能としては、大型ファンの標準搭載はもはや常識。一時期は密閉タイプの静音型がはやっていたが、最近では冷却重視型が復権しつつあり、ケースの前後ではなく、上下にダクトを備えた製品も増えている。最近のマザーボードやファンレスビデオカードはケースファンの冷却ありきで作られているので、静音マシンでもおろそかにはできない。

天板部に大型ファンを備えた製品が最近のトレンド。熱を上方に逃がせば効率よく排熱できる

購入のポイント 3 静音性

静かなマシンを作るには、ケースを密閉して、音漏れを防ぐのが一番の方法だが、やはり冷却性能と切り離して考えることはできない。ケースの共振や反響音を防ぐことも重要であり、そういう点では剛性なども大きく関与してくる。なお、ダクトが多いと、それだけ静音性は低くなるが、そうしたケースでもうるさいとは限らないのが最近の高性能ケースである。

冷却を意識してメッシュを使った製品が増加しているが、静音面では不利。バランスが難しい

Antec

Twelve Hundred

実売価格：26,000円前後

問い合わせ先：03-5812-5820（リンクスインターナショナル）
URL：http://www.antec.com/world/jp/

冷却性能と拡張性を強化した大型ケース
　同社のHundredシリーズの長兄にあたる大型タワーケース。メッシュ加工のフロントパネルには12基もの5インチベイが並び、大小合わせて六つものファンを備えたハイエンドモデルとなっている。前面に限らず、側面や背面にもメッシュダクトを備えるが、剛性は一般的なケースよりも高いほど。各部に精度の高い曲げ加工が多用されており、これも剛性を高めることに貢献している。無骨なデザインではあるが、こうした品質のよさが人気の秘密と言えるだろう。ただ、奥行きは意外に標準的で、縦に長いゆえにケーブルの取り回しなどでも工夫は必要である。マザーボード背面にケーブルを取り回すこともできるので、腕の見せどころとも言える。

ATX

12基の5インチベイには三つのHDDケージ（それぞれ5インチベイ三つをシャドーベイ三つに変換）を搭載

天板部に20cmの大型静音ファンを搭載。付属ファンはすべてファンコントロール機能付きだ

SPECIFICATION

カラー：ブラック
付属電源：なし
ベイ：5インチ×12（5インチ×3→シャドー×3変換アダプタ×3）
標準搭載ファン：12cm角×3（前面）、12cm角×2（背面）、20cm×1（天板）
追加搭載可能ファン：12cm角×1（側面）、12cm角×1（前面）
サイズ（W×D×H）：213×513×582mm
重量：14.5kg

CoolerMaster

COSMOS S

実売価格：35,000円前後

問い合わせ先：support@kohryu.com（興隆商事）
URL：http://www.coolermaster.co.jp/

冷却重視仕様の先進フラグシップモデル
　現在の天板排気構造の先駆けとなった静音重視のCOSMOSを、メッシュパネルを多用した冷却重視仕様にした新バージョン。ボディサイズなどは従来と同じだが、フロントパネルからトビラがなくなり、全面がメッシュの5インチベイに、側面も20cmファン付きのメッシュ、天板部もメッシュへと変更。加えて各部にアルミパネルを採用したことで、冷却性能の向上とともに、軽量化も図られている。もちろん静音性は下がっているが、剛性は十分保たれており、内部が広いことと相まって、拡張性・作業性ともに抜群。電源は下部に配置されているが、延長ATX電源ケーブルが付属するなど、しっかりと使い勝手が考慮されているのもうれしい。

ATX

奥行きがあるので、大型マザーボードやビデオカードの搭載も楽々。アルミながら剛性も文句なしだ

底面、天板のダクトは従来もあったものだが、各部にダクトやファンが増えたので静音性は下がった

SPECIFICATION

カラー：ブラック
付属電源：なし
ベイ：5インチ×7（5→3.5インチ変換アダプタ×1）、シャドー×4
標準搭載ファン：12cm角×1（前面）、12cm角×1（背面）、12cm角×1（天板）、20cm×1（側面）
追加搭載可能ファン：12cm角×2（天板）
サイズ（W×D×H）：266×628×598mm
重量：13.8kg