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TEXT:芦澤英一 |
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ハイエンドとミドルレンジの実力差を知りたい! |
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“もうちょい上”のパーツ構成を
シミュレーション |
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パーツ交換の自由度が高く、目的に応じて自在にアップグレードできるのが自作PCのよいところ。ここでは、前項までで組み立てたPCを標準構成として、CPUやビデオカードを変更したらどのようにパフォーマンスの違いが出るかを検証してみたい。 |
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ハイエンドビデオカードの実力を検証 |
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3D系ゲームを堪能したいならハイエンドビデオカードを |
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前項の作例で使ったビデオカードの「ASUSTeK EN8600GT SILENT/HTDP/256M」は、GPUにNVIDIA GeForce 8600 GTを搭載するミドルレンジの製品だった。通常の用途では申し分のない性能を備え、ハイビジョンのコンテンツをストレスなく楽しめる動画再生支援機能の「PureVideo HD」はハイエンド製品と比較しても遜色ない。しかし、最新の3Dゲームを堪能したいゲーマーなどにとっては、少々もの足りないのも事実だろう。そこで、ビデオカードをハイエンドクラスのNVIDIA GeForce 8800 GTを採用する「GIGABYTE GV-NX88T512HP」に挿し換えて、パフォーマンスを比較してみた。
結果的に3D描画性能を測定する3DMark06 Build 110における差は圧倒的と言えるものとなった。両者の価格差は約1万6,000円前後であるが、ゲームを存分に楽しみたいユーザーなら、この性能差は価格差以上の価値があるだろう。
なお、GV-NX88T512HPのようなハイエンドビデオカードは、6ピンのPCI Express電源コネクタが備えられているように消費電力が大きい。よって、電源ユニットにも余裕のあるスペックの製品を選択しておきたいところだ。 |
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重いゲームもサクサク動くハイエンド構成 |
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GIGABYTE |
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GV-NX88T512HP |
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実売価格:32,000円前後 |
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ZALMAN製の銅製ヒートシンクを採用したGPUクーラーを装備するNVIDIA GeForce 8800 GT搭載ビデオカード |
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スペック
GPU:NVIDIA GeForce 8800GT
メモリ:GDDR3 512MB |
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Seasonic |
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M12 SS-600HM |
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実売価格:20,000円前後 |
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日本製の105℃コンデンサを採用するなど、パーツ品質にこだわったハイエンドクラスの電源ユニット。プラグイン方式を採用 |
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スペック
定格出力:600W
搭載ファン:
12cm角(底面)
6cm角(前面) |
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【測定環境】
CPU:Intel Core 2 Duo E8200(2.66GHz)
マザーボード:ASUSTeK P5K-E(Intel P35+ICH9R)
メモリ:Patriot Memory PSD22G800KH(1GB×2、CL=5)
ビデオカード:ASUSTeK EN8600GT SILENT/HTDP/256M(NVIDIA GeForce 8600 GT)、GIGABYTE GV-NX88T512HP(NVIDIA GeForce 8800 GT)
HDD:Seagate Barracuda 7200.11 ST3500320AS(Serial ATA 2.5、7,200rpm、500GB)
OS:Windows Vista Ultimate |
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DirectX 10対応のFPSゲーム「Crysis」は、要求スペックの高いタイトルの一つ。8600 GTクラスのビデオカードでは少々厳しい
(C)2007 Crytek. All Rights Reserved. Crytek, Crysis and CryENGINE are trademarks or registered trademarks of Crytek. EA and the EA logo are trademarks or registered trademarks of Electronic Arts Inc. in the U.S. and/or other countries. All other trademarks are the property of their respective owners. |
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結果 3DMark06で最大180%の性能アップ!! |
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ASUSTeK |
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EN8600GT SILENT/HTDP/256M |
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実売価格:16,000円前後 |
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Antec |
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NeoPower430 |
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実売価格:12,000円前後 |
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GIGABYTE |
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GV-NX88T512HP |
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実売価格:32,000円前後 |
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Seasonic |
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M12 SS-600HM |
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実売価格:20,000円前後 |
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1ランク上のCPUの実力を検証 |
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高クロックデュアルコア vs.低クロッククアッドコア |
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前項の自作例で採用したCPU「Intel Core 2 Duo E8200(2.66GHz/システムバス1,333MHz)」からアップグレードを行なう場合、二つの方向性が考えられる。一つはより高クロックなデュアルコアCPUの選択で、もう一つはクアッドコアCPU。今回は高クロックなデュアルコア「Core 2 Duo E8500(3.16GHz/システムバス1,333MHz)」と、E8200より実クロックの低いクアッドコアCPU「Core 2 Quad Q6600(2.4GHz/システムバス1,066MHz)」のパフォーマンスを比較してみた。
PC使用における実用的なパフォーマンスを測定するPCMark05 Build 120のCPU Scoreでは、Q6600よりE8500のほうがやや優るという結果となった。これは、このテストではコア数よりも、クロックやコアあたりの2次キャッシュ容量の影響が大きいためだろう。
逆に、CPUの並列処理をシビアに要求する動画エンコードに関しては、クアッドコアのQ6600がE8500より優れた性能を示す。マルチコアCPUに最適化されたTMPGEnc 4.0 XPressを用いたテストで、その差は明らかとなった。エンコードをバリバリやりたいなら、クアッドコアCPUがオススメと言える。 |
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性能とバランスに優れたデュアルコア&クアッドコアCPU |
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Intel |
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Core 2 Duo E8500 |
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実売価格:37,000円前後 |
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45nmプロセスルールが採用された最新デュアルコアCPUのハイエンドモデル |
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スペック
動作クロック:3.16GHz
2次キャッシュ:6MB
TDP:65W
コア数:2 |
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Intel |
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Core 2 Quad Q6600 |
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実売価格:31,000円前後 |
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3万1,000円前後の価格で、クアッドコアCPUを一気に身近な存在にしたクアッドコアのスタンダードモデル |
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スペック
動作クロック:2.4GHz
2次キャッシュ:4MB×2
TDP:95W
コア数:4 |
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【測定環境】
CPU:Intel Core 2 Duo E8200(2.66GHz)、Intel Core 2 Duo E8500(3.16GHz)、Intel Core 2 Quad Q6600(2.4GHz)
マザーボード:ASUSTeK P5K-E(Intel P35+ICH9R)
メモリ:Patriot Memory PSD22G800KH(1GB×2、CL=5)
ビデオカード:ASUSTeK EN8600GT SILENT/HTDP/256M(NVIDIA GeForce 8600 GT)
HDD:Seagate Barracuda 7200.11 ST3500320AS(Serial ATA 2.5、7,200rpm、500GB)
OS:Windows Vista Ultimate |
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結果
CPUスコアが最大13~18%アップ!!
エンコード速度が最大57~132秒高速に!! |
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冷却ファンは、小さなファンを高回転で使用するより、大きなファンを低回転で使用するほうが、静音性の面で優れている。また、ヒートシンクは表面積が大きいほど冷却能力が高い。そんな理由で高性能な市販のCPUクーラーは大型の製品が多い。今回使用した「ANDY SAMURAI MASTER」もその例に漏れず、ケース内で大きなスペースを占有する。大きいことによるデメリットは、着脱に苦労することだ。今回の作例でも、装着するときはケース外で作業できたからよかったものの、マザーボードをケースに装着した状態で脱着するのは一苦労だ。こうした製品を扱う際は、力ずくでムリな作業をするより、マザーボードを一度ケースから外して作業したほうが確実と言える。 |
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ファンとヒートシンクが大きいため、固定ピンを回そうとしても手が入りにくい |
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マイナスドライバーを使用するのも角度的に難しいので、横からラジオペンチで回してみた |
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