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TEXT:鈴木雅暢 |
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メモリの選び方 |
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価格変動が激しいことで知られるメモリ。選ぶときのポイントとしては、価格のほかには速度規格、容量、マザーボードの制限などがある。大容量を安価に入手できる今が買い時だ。 |
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メモリはいくつか速度別の規格が用意されているが、メモリの速度が高速になっても、システム全体への影響はごくわずか。ほとんど体感できない。一方、メモリの容量不足によるレスポンスの低下は大きなストレスになる。Windows XPでは1GB以上、Windows Vistaでは2GB以上が快適に利用できる容量の目安と言われているが、多いに越したことはない。容量単価はそのときの主流のメモリ規格ほど安くなる傾向があるので、マザーボードの制限がない限り、容量単価のもっとも安いメモリを予算の許す範囲で多く搭載するのが賢い買い方と言える。
今もっとも安いのはDDR2-800。2008年になって価格低下は落ち着いたが、1年前の約1/4(1GB)という安さ。DDR2の改良版であるDDR3も流通開始から半年以上経ったが、最安のPC3-8500(DDR3-1066)でもMB単価でDDR2-800の7倍もするように、世代交代の気配はまったくない。DDR3よりも気になるのはJEDECで承認されたばかりのPC2-8500(DDR2-1066)。対応マザーボードの少なさが難だが、最安値クラスで4円/MB程度まで下がっており、今後に注目だ。
ちなみに、DDR2とDDR3のモジュールは切り欠きの位置が違うため互換性がない。両方のスロットを搭載するマザーボードもあるが、同時に使えるのはどちらか一方だけである。DDR2同士、DDR3同士であれば下位互換性は確保されている。つまり、DDR2-533対応のマザーボードにDDR2-800を挿してもDDR2-533として動作する。
現在の定番は、DDR2-800の2GB(1GB×2)、または4GB(2GB×2)搭載だ。最安値を記録するようなメモリは、ノーブランドのバルク品だが、ブランド品でも1,000~2,000円の上乗せで買える店を探すのは難しくない。ノーブランド品は出所が分からないだけに品質は未知数で、保証も短期間であることがほとんどだ。長期保証の付いたブランド品のほうが安心感が高い。
4GB搭載がムリなく可能になったことで浮上してきたのが、32bit OSの制限問題。4GBを搭載しても、32bit版OSからは3GB前後の容量(具体的な容量はパーツ構成によって異なる)しか見えないという現象である。32bit版OSを使う以上、これは解決できない(64bit OSを使い、ハードウェアが一定の条件を満たしていれば解決できる)が、たとえ3GBしか使えないとしても、将来使い回せる可能性なども考えれば、今の安さであれば4GB構成にする価値はあるだろう。 |
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DDR2の価格は2007年後半から下落傾向が加速、2008年に入ってからは落ち着いているが、きわめて低い水準となっている。当初は1GBモジュールの値下がりが先行していたが、容量単価で見ると、今では2GBのほうがむしろ安くなっている |
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XMPに対応するX38マザーボード
Intelが提唱する独自のメモリ拡張規格「XMP」は、X38チップセットを搭載したDDR3対応マザーボードのみでサポートされる |
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Vista SP1では 4GBフル表示に対応
Windows Vista(SP1)では、32bit版でも4GBのメモリを搭載すると4GBがフルに表示されるが、表示されるだけで実際にはフルには使えない |
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PQI |
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QD2800-1G |
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問い合わせ先:03-5835-4887(PQI Japan)
URL:http://www.pqi.com.tw/jp/ |
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比較的安価ながら基板設計はJEDEC仕様に準拠し、永久保証をうたっているのが最大の特徴。購入ショップのほか、日本法人によるサポート窓口も用意され、修理・交換も安心 |
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製品名 |
容量 |
実売価格(円前後) |
QD2800-1G |
1GB |
3,000 |
QD2800-512 |
512MB |
2,000 |
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UMAX |
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Pulsar DCDDR2-2GB-800 |
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問い合わせ先:03-3768-1321(マスタードシード)
URL:http://www.umax.net/ |
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低価格ながら高品質なUMAX製のDDR2-800メモリ。ヒートスプレッダの搭載や工場出荷時のデュアルチャンネル動作検証など、信頼性向上が図られている |
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製品名 |
容量 |
実売価格(円前後) |
Pulsar DCDDR2-4GB-800 |
2GB×2 |
9,500 |
Pulsar DCDDR2-2GB-800 |
1GB×2 |
7,000 |
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Kingston Technology |
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ValueRAM KVR1066D2N7K2/2G |
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問い合わせ先:047-700-8209
URL:http://www.kingston.com/japan/ |
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JEDECのDDR2-1066仕様に対応したメモリモジュール。AMDの新プラットフォームであるSpiderに最適化されている。レイテンシは7-7-7-20 |
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製品名 |
容量 |
実売価格(円前後) |
ValueRAM KVR1066D2N7K2/2G |
1GB×2 |
23,000 |
ValueRAM KVR1066D2N7K2/1G |
512MB×2 |
15,000 |
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Corsair Memory |
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DOMINATOR TWIN2X2048-10000C5DF |
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問い合わせ先:info@synnex.co.jp(シネックス)
URL:http://www.corsairmemory.com/ |
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NVIDIAの自動オーバークロック規格EPPに対応したハイエンドメモリ。4枚構造のヒートシンク上部に櫛状の切り込みを入れることで、エアフローによる冷却効果を高めた |
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製品名 |
容量 |
実売価格(円前後) |
DOMINATOR TWIN2X2048-10000C5DF |
1GB×2 |
19,000 |
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センチュリーマイクロ |
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CK1GX2-D3U1066 |
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問い合わせ先:03-5437-2611
URL:http://www.century-micro.co.jp/ |
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国内メーカーによる製作の高信頼性メモリ。6層タイプの基板を採用するなど、JEDEC規格をカスタマイズした独自の高品質設計が特徴。レイテンシは7-7-7 |
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製品名 |
容量 |
実売価格(円前後) |
CK1GX2-D3U1066 |
1GB×2 |
30,000 |
CD512M-D3U1066 |
512MB×2 |
16,000 |
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OCZ Technology |
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Platinum Edition OCZ3P18002GK |
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問い合わせ先:なし
(初期不良交換のみ購入店舗にて対応)
URL:http://www.ocztechnology.com/ |
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DDR3-1800対応のオーバークロックメモリ。レイテンシは8-8-8-24。メッシュ状のヒートスプレッダがメモリ全面を覆っている。動作電圧は1.95Vと少々高め |
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製品名 |
容量 |
実売価格(円前後) |
Platinumm Edition OCZ3P18002GK |
1GB×2 |
80,000 |
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ブランド品でも超高級品と言えるのが、JEDEC仕様を超える高クロック動作をうたうハイエンド向けオーバークロックメモリだ。
XMP(Extreme Memory Profile)やEPP(Enhanced Performance Profile)といった拡張規格に対応する製品は、SPD情報と、XMP(EPP)用情報との2種類を持ち、デフォルトではSPDで起動するが、対応マザーボードのBIOSに用意された専用の自動設定項目を選択すると、電圧/クロック/タイミングなどオーバークロック設定が反映されるようになる仕組だ。 |
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EPPとXMPは、ともにSPDを拡張して対応製品同士でオーバークロックの自動設定ができるようにした規格。EPPはNVIDIA提唱でDDR2、XMPはIntel提唱でDDR3という違いがある |
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