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TEXT:鈴木雅暢 |
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HDD編 |
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コストパフォーマンス大幅アップで買い換え、買い増し需要が増加 |
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近年最高と言える活気を見せた2007年のHDD市場。1TBモデルの初登場から普及まで一気に進行するなど大容量化が顕著。低消費電力モデルの登場やSSDの台頭など目新しいトピックもあった。 |
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最新トレンドはこれだ |
(1)コストパフォーマンスに優れる500GBモデルが大人気
(2)各社から1TBモデルが出揃う
(3)低消費電力モデルが登場
(4)SSDに注目が集まる |
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本格的TB時代が幕開け 500GBモデルが売れ筋に |
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ついにテラバイトHDDの時代がやってきた。単体で初めて1TBを実現した日立グローバルストレージテクノロジーズ(日立GST)のDeskstar 7K1000が2007年早々に発表されたのに続いて、同年半ばからはSeagate、Western Digitalからも1TBモデルが登場。さらに日立GSTからはもう1モデル加わり、今では主要3社から4モデルが揃っている。
さらに価格下落も始まっており、もっとも安いCaviar GPは3万円以下、ほかのモデルも3万5,000円前後と、1年前の750GBモデルよりすでに安い。これらの1TBモデルは性能面でも注目の存在だ。プラッタ1枚あたりの容量は、Deskstar 7K1000で200GB、Barracuda 7200.11、Caviar GPでは250GBである。これだけ高密度化が進むとパフォーマンス、とくにシーケンシャルアクセス性能では大きな進化が期待できる。
1TBモデルの本格流通は750GB以下の価格を押し下げている。とくに2007年半ばからは500GBモデルの買い得感が高くなっており、現在の最安モデルでは1万円~1万1,000円まで下がってきており、1万円を切るのももう少しという状況だ。実売価格を容量(GB)で割ったGB単価では1GBあたり21~25円前後と、320GBや750GBなどほかの価格帯を抑えて全容量中で最安となっている。自作市場では完全にこの500GBが標準になったと言ってよいだろう。上位の750GBや1TBモデルの価格も低下してきており、今後はとくに750GBモデルの値動きにも注目したいところだ。
そのほかでは、低消費電力をうたうモデルが登場してきたことに注目したい。安価な1TBモデルとしても人気の高いWD Caviar GPは、回転速度の自動調整やシーク速度の調整などさまざまな省電力機能を搭載することで、他社製品よりも平均で4~5Wの低消費電力駆動をうたう。年間では13.8kg二酸化炭素排出量の低減ができるとして企業ユースにアピールしている。日立GSTも「エコ・フレンドリーHDD」としてDeskstar P7K500を発表するなど、ちょっとしたトレンドとなっている。
また、Windows Vistaの影響でAHCI(Advanced Host Controller Interface)の認知度が向上した点もトピックだ。AHCIは、NCQ(Native Command Queuing)やホットプラグなどSerial ATA 2.5以降の拡張機能を実現するために、従来のIDEとの互換性を捨ててSerial ATAに最適なコマンドやデータ転送のプロトコルを新たに標準化したコマンド体系のこと。Vistaから標準でサポートされており、特別なドライバのインストールなしで利用できるようになっている。 |
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1TBモデルが各社から
初めて1TBに到達した日立GSTに続き、Seagate、Western Digital 製品の発売が開始され、メジャー3社のモデルが出揃った |
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低消費電力モデルが登場
「Green Drive」をうたうWestern DigitalのWD Caviar GPなど、省電力をテーマに開発されている製品が登場してきた |
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Serial ATAが一般的に
インターフェースは完全にSerial ATAへ移行し、IDE対応モデルは少なくなってきた。Vistaの影響でAHCIの認知度も高まった |
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パフォーマンス派は要注目
“SAS”HDDを試す! |
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Serial ATAとSCSIが融合した高速インターフェース |
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SAS(Serial Attached SCSI)とは、エンタープライズ分野の主力インターフェースであるSCSIの最新規格だ。Serial ATAをベースにしてSCSIのインテリジェントなコマンドプロトコルや信頼性を盛り込んでいる。電気的な部分に関してはよりマージンを取って高い信頼性を確保しているが、コネクタ形状など多くをSerial ATAと共通化しており、SASコネクタにはSerial ATAのデバイスをそのまま接続して使うことが可能(その逆は不可能)と、実は意外に身近な存在となっている。
SASのインターフェース速度は、Serial ATAと同じ3Gbpsだが、SASでは、エンタープライズ向けの15,000rpmの超高速ドライブも利用できる。
MSIからSASコントローラをオンボード搭載するマザーボードが発売されたが、SASドライブもSerial ATAドライブも両方使えると考えれば、ハイエンド製品の装備としてはなかなか魅力的と言えるだろう。なお、今回テストに利用したSASドライブは10,000rpmのためSerial ATAドライブと比べてそれほど大きな差は付いていないが、それでも高速シークタイムなどの効果により、ランダムアクセスで好結果を見せている。 |
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Seagate |
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Cheetah NS ST3400755SS |
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Seagateのサーバー/ワークステーション向けSAS対応400GB HDD(近日発売予定)。回転速度10,000rpm、シークタイム3.9/4.2ms(リード/ライト)というハイスペック。同社によれば、15,000rpmの技術をベースに製造されているため、スタンダードな10,000rpmドライブよりも高性能だとしている。 |
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速くて静かで省電力 今後が楽しみなストレージ |
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2007年前半から一躍脚光を浴びる存在となったのが、NAND型フラッシュメモリを利用したSSD(Solid State Drive)だ。サイズ規格やインターフェースをHDDと共通化した製品が登場し、HDDを脅かす存在として台頭してきた。
SSDのメリットは機械部品を使わない点にある。そのため騒音がほとんどなく、消費電力も発熱も小さい。何より、ランダムアクセスが非常に高速で、OSの起動やちょっとしたアプリケーション操作などのレスポンスがきわめて良好だ。これはベンチマークテストでもはっきりと実証されている。
しかし、フラッシュメモリのセルは書き換えのたびに劣化していく性質がある。同じセルばかり使わないよう制御はしているが「絶対に~年安心だ」というようなことはまだ言い切れない。導入コストが高いという課題もあり、一般的な普及にはまだ時間がかかりそうだが、すでにマニアックな高級パーツとしての地位は確立しつつある。今後も引き続き楽しみな存在だ。 |
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Samsung |
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MCAQE32G5APP-0XA |
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フラッシュメモリ世界シェアNo.1のSumsung製2.5インチIDE SSD。SSDとしては比較的低価格で購入しやすいのが特徴。1.8インチモデルもラインナップされ、今後は64GB版も登場予定となっている。 |
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型番 |
容量 |
実売価格 |
MC8DE16G5APP-0XA |
16GB |
41,000円前後 |
MCAQE32G5APP-0XA |
32GB |
61,000円前後 |
MCBOE32G8APR-0XA(1.8インチ) |
32GB |
62,000円前後 |
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アドテック |
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MTRON MOBI |
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公称読み出し速度100
MB/sという、超高速なデータ転送速度がウリのSerial ATA接続のSSD。サイズが3.5インチなので、デスクトップPCでもそのまま利用できるのも特徴。 |
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型番 |
容量 |
実売価格 |
MSD-S3K35032A-01 |
32GB |
100,000円前後 |
MSD-S3K35064A-01 |
64GB |
180,000円前後 |
MSD-S3K25032A-01(2.5インチ) |
32GB |
100,000円前後 |
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SSDのメリット
・ランダムアクセス性能が非常に高い
・消費電力が小さい
・動作音がほとんどない |
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