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TEXT:芦澤英一、鈴木雅暢、宮崎真一 |
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マザーボード編 |
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PenrynやPhenomに合わせた新しいマザーボードの最適な選択肢は? |
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IntelとAMDの新CPUがリリースされ、マザーボードの世代交代が進みつつある。さまざまなチップセットを搭載したマザーボードの中で、今もっともお買い得なものはどれなのか、最適な選択をしよう。 |
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これが最新のトレンドだ |
(1)従来の倍の転送レートを誇るPCI Express 2.0のサポート
(2)PenrynやPhenomといった新しいCPUへの対応
(3)CrossFireXといった新たなマルチGPUソリューションの登場 |
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コストパフォーマンスを求めるならP35搭載マザーで決まり |
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現在のIntelプラットフォームで、ハイエンドマザーと言えばX38チップセットを搭載した製品だろう。X38はシステムバス1,333MHzをサポートするほか、DDR2およびDDR3メモリへの両対応を果たしている。今はDDR3メモリがまだまだ高価であるため、普及率は高くなく、買いやすい価格になるにはもう少し時間がかかりそうではある。ほかにも、X38は2本のPCI Express x16スロットをフルレーンで利用できるほか、PCI Express x16スロットはPCI Express 2.0をサポートしているため、従来のPCI Express 1.1と比較して約2倍の転送速度(8GB/s→16GB/s)を誇る。ただし、X38マザーボードは高価であるため、費用対効果を考えると正直リーズナブルとは言い難い。
その下位モデルにあたるP35はメインストリーム向けとして人気が高いチップセットである。X38と違い、PCI Express 2.0に非対応であることと、DDR3-1066までの対応となっており、性能的には劣っているが、現状PCI Express 2.0対応のビデオカードにはハイエンドクラスのものしかなく、DDR3メモリに関しても前述したとおり気軽に買えるような金額ではない。そのため、絶対的な性能を追求する必要がないのであれば、P35搭載マザーボードがオススメとなる。 |
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Intel CPU対応チップセット |
Intel X38 |
PCI Express 2.0およびフルレーンのCrossFireに対応。機能性は申し分ないが高価なため、より高い性能を求める人に適している。 |
Intel P35 |
費用対効果が高いチップセット。メーカーの独自対応とはいえ、システムバス1,600MHzをサポートするものも見られ、将来性も高い。 |
Intel G33 |
P35にグラフィックス機能を統合したモデル。しかしながら、その3D描画性能はあまり高くなく、拡張性は乏しい。初期コストを抑えたい人向け。 |
Intel G31 |
安価にマシンを組みたい人向けのチップセット。グラフィックス機能にはあまり期待できないため(G33と同等)、割り切った使い方が必要。 |
NVIDIA GeForce 7150 |
グラフィックス機能はGeForce 7世代のもので、HDMI出力に対応するが、動画再生支援機能のPureVideoを搭載しておらずアンバランス。 |
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AMD CPU対応チップセット |
AMD 790FX |
PhenomおよびPCI Express 2.0への対応、4本のPCI Express x16スロットによるCrossFireXのサポートが注目のチップセット。 |
AMD 790X |
AM2+プラットフォームにおけるメインストリーム向けチップセット。CrossFireXに興味がない人はこの790Xが適している。 |
AMD 770 |
Phenom対応はもちろん、実売で1万円前後の価格でPCI Express 2.0対応マザーを探すのであれば、このチップセットしか選択肢はない。 |
AMD 690G |
HDMI出力を利用した安価な動画再生マシンを組みたいのであれば、動画再生支援機能のAvivoを搭載するこの690Gが最適。 |
NVIDIA GeForce 7050 PV |
690Gの対抗馬。動画再生支援機能のPureVideoを搭載し、HDMI出力をサポートしているが、搭載マザーボードの選択肢が少ない。 |
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AMDはローエンドでPCI Express 2.0対応が魅力 |
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一方のAMDプラットフォームはPhenomの登場で、AMD 7シリーズ搭載マザーボードの新製品ラッシュが始まっている。これからSocket AM2対応マザーボードを購入するのであれば、HyperTransport 3.0をサポートしたAM2+プラットフォームのAMD 7シリーズを搭載したマザーボードを選ぶのが賢明だ。AMD 7シリーズの利点は、PCI Express 2.0をサポートしており、Phenomの利用を当分予定していないユーザーでもGeForce 8800 GTやRadeon HD 3870といったPCI Express 2.0に正式対応したビデオカードのパワーを存分に発揮できること。なかでも、AMD 770搭載マザーの中には実売1万円以下で販売される製品も見られ、PCI Express 2.0に対応した安価なマザーボードとして、コストパフォーマンスの高さはかなり魅力的だ。一方、AMDプラットフォームで最高性能を求めるのであれば、790FXしか選択肢はないだろう。2008年初頭に対応ドライバの公開が予定されているCrossFireXを用いれば、3D描画性能が著しく向上することは間違いない。
また、グラフィックス機能を内蔵したAMD 690GやNVIDIA GeForce 7050 PVは安価で動画再生支援機能を有しているのが魅力的なチップセット。両者で3D描画性能に多少差はあるものの、3Dゲームなどをプレイするのには程遠い。そのため、どちらを選ぶかはマザーボードに用意されたオンボードデバイスや価格で判断するのがよいだろう。 |
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Penryn&Phenom対応マザー |
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Intel 3シリーズ
すでにCore 2 Extreme QX9650がリリースされているが、2008年はメインストリーム向けにPenryn世代のCPUが登場する。今、マザーボードを購入するのであればX38やP35のような最新世代の対応製品を選びたい |
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AMD 7シリーズ
Phenomのパフォーマンスを最大限発揮するには、チップセットがHyperTransport 3.0に対応している必要がある。そのため、CPUのアップグレードも視野に入れるとAMD 7シリーズを搭載した製品がオススメだ |
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これからのトレンド? PCI Express 2.0 |
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PCI Express 2.0は、従来規格のPCI Express 1.1の2倍となる16GB/s(16レーン)もの転送速度を誇る。しかし、下のグラフを見ると分かるように、現状その効果を実感するにはCrossFireなど、ビデオカード側にかなり大きな負荷をかけなければならないようだ。とはいえ、PCI Express 2.0はまだ出てきたばかりの規格。今後の性能アップに期待したい。 |
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最新チップセットのPCI Express 2.0対応状況 |
チップセット |
PCI Express 2.0 |
レーン数 |
Intel X38 |
○ |
32 |
Intel P35 |
× |
16 |
AMD 790FX |
○ |
32 |
AMD 790X |
○ |
16 |
AMD 770 |
○ |
16 |
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【検証環境】
CPU:Intel Core 2 Duo E6750(2.66GHz)
マザーボード:ASUSTeK P5E3 Deluxe/WiFi-AP(Intel X38+ICH9R)、ASUSTeK P5K Premium/WiFi-AP(Intel P35+ICH9R)
メモリ:OCZ Technology OCZ3P18002GK(PC3-14400 DDR3 SDRAM、CL=8、1GB)×2、センチュリーマイクロ CD1G-D2U800(PC2-6400 DDR2 SDRAM、CL=5、1GB)×2
ビデオカード:Sapphire ULTIMATE HD2600XT 256MB GDDR3 PCIE(ATI Radeon HD 2600 XT)、Sapphire Radeon HD 2600PRO 256MB GDDR3 PCIE(ATI Radeon HD 2600 XT)
HDD:Western Digital Raptor WD1500ADFD (Serial ATA 2.5、10,000rpm、150GB)
OS:Windows Vista Ultimate |
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Intel CPU対応チップセット |
North Bridge名 |
Intel X38 |
Intel P35 |
対応CPUソケット |
LGA775 |
LGA775 |
システムバス(最大) |
1,333MHz |
1,333MHz |
メモリインターフェース(最大) |
DDR3-1333/DDR2-800 |
DDR3-1066/DDR2-800 |
メモリ容量(最大) |
8GB |
8GB |
グラフィックスインターフェース |
PCI Express 2.0 x16×2 |
PCI Express x16 |
内蔵グラフィックス機能 |
- |
- |
対応するSouth Bridge |
ICH9シリーズ |
ICH9シリーズ |
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Intel CPU対応チップセット |
North Bridge名 |
Intel G33 |
Intel G31 |
NVIDIA GeForce 7150 |
対応CPUソケット |
LGA775 |
LGA775 |
LGA775 |
システムバス(最大) |
1,333MHz |
1,066MHz |
1,333MHz |
メモリインターフェース(最大) |
DDR3-1066/DDR2-800 |
DDR2-800 |
DDR2-800 |
メモリ容量(最大) |
8GB |
4GB |
8GB |
グラフィックスインターフェース |
PCI Express x16 |
PCI Express x16 |
PCI Express x16 |
内蔵グラフィックス機能 |
GMA 3100(DirectX 9) |
GMA 3100(DirectX 9) |
GeForce 7150(DirectX 9) |
対応するSouth Bridge |
ICH9シリーズ |
ICH7シリーズ |
nForce 630i |
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AMD CPU対応チップセット |
North Bridge名 |
AMD 790FX |
AMD 790X |
対応CPUソケット |
Socket AM2 |
Socket AM2 |
システムバス(最大) |
5,200MHz |
5,200MHz |
メモリインターフェース(最大) |
CPUによる |
CPUによる |
メモリ容量(最大) |
CPUによる |
CPUによる |
グラフィックスインターフェース |
PCI Express 2.0 x16×4※ |
PCI Express 2.0 x16 |
内蔵グラフィックス機能 |
- |
- |
対応するSouth Bridge |
SB600 |
SB600 |
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AMD CPU対応チップセット |
North Bridge名 |
AMD 770 |
AMD 690G |
NVIDIA GeForce 7050 PV |
対応CPUソケット |
Socket AM2 |
Socket AM2 |
Socket AM2 |
システムバス(最大) |
5,200MHz |
2,000MHz |
2,000MHz |
メモリインターフェース(最大) |
CPUによる |
CPUによる |
CPUによる |
メモリ容量(最大) |
CPUによる |
CPUによる |
CPUによる |
グラフィックスインターフェース |
PCI Express 2.0 x16 |
PCI Express x16 |
PCI Express x16 |
内蔵グラフィックス機能 |
- |
Radeon X1250(DirectX 9) |
GeForce 7050 PV(DirectX 9) |
対応するSouth Bridge |
SB600 |
SB600 |
nForce 630a |
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