その他の特集(2011年) | |||
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TEXT:橋本新義 | ||||||||||||||
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2万5,000~3万円前後となるアッパーミドルクラスはヘビーな自作PCユーザーの間で人気の高いジャンルだ。より低価格な製品に比べて冷却の装備や付加機能が一気に増加する、よい意味で“自作PC用マザーボード”らしくなってくるクラスである。 | ||||||||||||||
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明らかに豪華になる装備 | ||||||||||||||
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アッパーミドルクラスの製品において注目したいポイントは、低価格な製品に比べ、一気に装備や搭載パーツが豪華になる点だ。 ミドルレンジクラス以下のマザーボードは、チップセットの搭載する基本的な機能を活かしたシンプルな設計となっているのが一般的。そのため、高機能版チップセット(Intel R付きのICHなど)やオンボードインターフェースチップなどは搭載されないことが多い。また、オーバークロックを意識した機能や装備(各種の電圧設定機能や高性能チップセットクーラーなど)が搭載されるのも、このクラスの製品からである。 こうした装備の違いにより、このクラスから上は、同じマザーボードでもミドルレンジクラスまでとは外観や使用感が異なってくる。つまり、こだわりを持ったヘビーユーザー向け、自作PC向けらしくなるのがこのクラス以上の製品と言える。 実際にアッパーミドルで目立つ装備を見ていくと、まず代表的なものとして挙げられるのがチップセットクーラーだ。ヒートパイプを使った高性能・かつハデな外観のクーラーユニットが見られるようになってくるため、ボード全体の見た目が大きく変わる。 続いてCPUソケット周辺のVRMまわりなども、このクラスから上はフェーズ数が6~12へと大きく増加する。こうした高性能クーラーの搭載やCPU電源部の強化は、長期間の使用における安定性を向上させ、さらにオーバークロックにおいても有利に働くため、ユーザーのメリットが大きい機能だ。 ネットワーク系の装備に関しても、ミドルレンジまでと比べて充実したものが多い。LANコントローラを2基搭載するデュアルLAN構成や、無線LAN機能搭載製品も登場し、下位のモデルとは一線を画してくるからだ。 一方で、機能を増加させるだけでなく、品質にこだわった装備もこのクラスから増加してくる。代表的なものとしては、専用スロットに装着する外付けタイプのサウンドカードなどが挙げられる。 このように、アッパーミドルクラスは、ヘビーユーザー向けの機能が搭載されはじめるクラスと言えるのだ。 |
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無線LAN搭載モデルが登場 このクラスから上位で登場するのが、無線LAN機能だ。単なるクライアントとしてだけでなく、ソフトウェアルーターとして使用可能な機能を搭載したモデルもある |
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デュアルLAN構成が増加 このクラスから上位機種では、LANのデュアル構成が一気に増加する。最新製品ではTeaming(HDDのRAIDのように、複数のLANを協調動作させる)機能を搭載した製品もある |
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単体サウンドカード このクラスからは、コーデックチップ(サウンドチップ)を単体のカードとして独立させた製品も登場。コーデックチップに混入するノイズ対策などの効果がある |
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高性能チップセットクーラー ヒートパイプ付きの高性能クーラーは、アッパーミドルからハイエンドマザーの名物的機能となった感もある。MSIのCIRCU-PIPEのように、見た目がユニークな機構も登場した |
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VRMの効率化にメスが入る | ||||||||||||||
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上でも紹介したように、アッパーミドルクラスの製品から急速に充実する装備の一つに、CPU電源部、通称VRM(Voltage Regulator Module)が挙げられる。実は最新マザーでは、このVRMの構造や性能に大きな注目が集まりつつある。 では、なぜVRMに注目が集まっているのか? 実はこれを紹介するには、VRMの機能と、「フェーズ数」という仕様について知っておく必要がある。 まずは、VRMの役割について。マザーボードの機能の一つとして、搭載される各パーツの電源を供給するというものがある。現在のCPUは1V台の電圧(CPUコア電圧)で動作するが、電源ユニットからCPU用として供給される電源の電圧は12Vと高い。このままCPUに供給してしまうとCPU側の回路が過電圧で破壊されてしまうため、マザーボード上で電圧を落とすための回路が必要だ。この役割を果たす回路がVRMである。 このVRMの性能に大きくかかわるのが「フェーズ数」だ。現在のCPUは電圧こそ低いものの、非常に大きな電力を消費する。こうした低電圧・大電流を出力する必要がある箇所に対して単純な電圧降下回路を使うと、変換効率が低くなったり、使われるパーツの発熱が非常に大きくなるといった、深刻な問題が起こる。こうした問題を解決すべく、最近のVRMで一般化しているのが、マルチフェーズ(多相)方式の電圧降下回路だ。マルチフェーズとは、出力電流の大きな電源回路を一つ用意する代わりに、出力電流の比較的小さな電源回路を複数用意し、それらを同時に動作させて出力電流を合成する方式である。 フェーズ数の多いVRMは搭載パーツと設計のコストがかかるものの、変換効率が向上し発熱が減り、さらにCPUへの電流の安定性も増すという、大きなメリットが得られる。そこでアッパーミドルクラス以上のマザーボードでは、6~8フェーズという、非常にフェーズ数の多いVRMを搭載した製品も登場している(ハイエンド製品ではそれ以上のフェーズ数の製品もある)。 こうした理由から最近は増加の一途だったVRMのフェーズ数だが、実はここへ来て、フェーズ数の多いVRMにおける意外な弱点が注目されるようになってきた。それは、CPUの消費電力が低い状況での変換効率だ。 現行の最新CPUでは、IntelのEISTやAMDのCool'n'Quietのように、低負荷時に動作クロックとコア電圧を落とす省電力機能の搭載が一般化しているが、このような状態では、多フェーズVRMのほうが消費電力が大きくなってしまうのである。電流が通過するパーツ数に起因するため、原理的な問題に近い。 今回は、実際に消費電力を確認するためにVRM以外のパーツ構成が似たGIGABYTE製のマザーボード2機種で、消費電力の比較を試みた。結果はまさに理論どおりで、アイドル時は6フェーズ版が7W低く、負荷時は逆に、12フェーズ版が2W低い。 現在VRMが注目される理由は、PCパーツの省電力化の流れから、このアイドル時の変換効率を改良する技術が出てきつつあるためだ。代表的なものはDFI製品などに搭載されたデジタルPWMとASUSTeKの「EPU」である。2008年は、こうしたさらなる消費電力の低減が大きな焦点となりそうだ。 |
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アイドル時の効率に優れる6フェーズVRM ミドルクラスでは一般的な6フェーズの電源回路。実用上問題があるわけではないが、変換効率に劣り、発熱は増加する傾向がある |
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バランスに優れた8フェーズVRM このクラスで多い8フェーズのVRM。ASUSTeK製品の多くに採用されており、バランスに優れる |
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高負荷時に強い12フェーズVRM VRM回路としてはもっともぜいたくなのが12フェーズ。電源の安定化や変換損失の減少といった効果がある。ただし消費電力はわずかながら増える |
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負荷にかかわらず高い変換効率のデジタルPWM 一般的なアナログ回路に対し、デジタル回路を使うデジタルPWM。高い安定性と高効率を誇る |
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【検証環境】 CPU:Core 2 Extreme QX9650(3GHz) メモリ:センチュリーマイクロ CD1G-D2U800(PC2-6400 DDR2 SDRAM、CL=5、1GB)×2、 ビデオカード:NVIDIA GeForce 8800 GTXリファレンスカード、HDD:Seagate Barracuda 7200.10 ST3750640AS (Serial ATA 2.5、7,200rpm、750GB) OS:Windows Vista Ultimate |
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