DOS/V POWER REPORT | Impress Japan

トップ
> 第1特集
> PC自作大全 2007

2007年の自作シーンを総括する！

CPU編 1/4

CPU編速報！Yorkfield入手!! 2/4

その他の特集（2011年）

激突！Bulldozer vs. Sandy Bridge

震撼性能！　Sandy Bridgeに死角なし!!

＊ユーザー登録からアンケートページへ進んでください。

＊プレゼントの対象は「最新号購入者」のみとなります。

TEXT：目黒廣道

AV編

PCでビデオや音楽を楽しむのが当たり前のこととなって久しい。そして、現在のトレンドはよりハイクオリティなHDコンテンツの再生へとシフトしてきている。肝心のコンテンツが不足しているのが気になるところであるが、関連ハードウェアの人気は高く、店頭での売れ行きも好調だ。

■	イマイチ盛り上がりに欠けるハイビジョン環境

　PCにAV機能を搭載するのが当たり前になっている現在、次のステージはハイビジョンコンテンツの再生だ。CPUはハイビジョンコンテンツを再生、編集するのに十分な性能を有し、ビデオカードはHDMI端子やHD動画の再生支援機能を搭載。HDCP対応のフルHD液晶ディスプレイも普及価格帯に下りてきており、Blu-ray DiscとHD DVD両対応の次世代DVDドライブも登場するなど、ハイビジョンコンテンツの利用に向けた環境が充実しつつある。

　しかし、対応ハードの売れ行きのわりには盛り上がりに欠けているように思えるのは、PCで扱えるハイビジョンコンテンツの絶対数の少なさのせいだろう。

　現状のハイビジョンコンテンツは、デジタル放送なら対応DVDレコーダやテレビで視聴や録画を行ない、市販タイトルはBlu-rayやHD DVDに対応したプレイヤーやゲーム機で再生。撮影はハイビジョンビデオカメラで行なうのが一般的だ。しかし、PCとのかかわりは薄く、ハイビジョンビデオカメラで撮影した映像の編集が大半。市販タイトルの再生も可能だが、そういった使い方をしているユーザーはまだ少数派だろう。

　ただ、デジタル放送に関してはコピーワンスの緩和や2011年のアナログ放送停止、デジタルメディアへの録画フォーマットと再生環境など、流動的な部分も多い。今後、PCで豊富なハイビジョンコンテンツを手軽に扱えるようになれば、さらなる環境の充実が望めるはずだ。

Trend 1

フルHD液晶ディスプレイの低価格化と高機能化

　AV関連でもっとも大きなトレンドと言えるのが、WUXGA表示が可能なフルHD液晶ディスプレイの低価格化と高機能化だろう。1年ほど前まで10万円以上の価格帯にあった24型ワイドのフルHD液晶ディスプレイが、安価な製品では5万円台まで落ちてきた。とくに、最近登場した製品はHDCPに対応したものが多く、ハイビジョンコンテンツの再生も可能になる。

　また、AV端子を備えた製品も増えている。HDMIやD端子、S-VIDEO端子を搭載し、PCだけでなくAV機器やゲーム機を直接接続することもできる。使い勝手は異なるが、DVDレコーダやデジタルチューナーを接続すれば、液晶テレビ的な利用も可能となる。逆に、HDMI接続であれば液晶テレビをPC用ディスプレイとして利用することもできるが、液晶テレビでフルHD対応の製品は32型ワイド以上の大型のものが多く、また価格が高いのもネックとなる。

低価格ながらHDMIとコンポーネント入力を搭載

ベンキュージャパン

FP241WJ

実売価格：70,000円前後

問い合わせ先：03-3265-8811
URL：http://www.benq.co.jp/

24型ワイドのフルHDに対応した液晶ディスプレイ。実売で7万円前後ながらHDMI端子を搭載し、さらにコンポーネント入力やVIDEO入力が可能など、高機能なのがウリとなっている

DVIやDsub 15ピンなどのPC用コネクタのほか、HDMIやコンポーネント入力端子など、AV機器用のコネクタを搭載した製品も多くなってきた

Trend 2

AVC HD対応ビデオ編集ソフトの登場

　ここ1年ほどで、録画フォーマットにAVC HDを採用した、フルHD対応のハイビジョンビデオカメラが次々と登場している。また、これまで遅れ気味だった、AVC HD対応の編集ソフトも出揃いつつある。以前のDVやMPEGカメラと同じようにHD映像を編集できる環境が整いつつあるのだ。

　また、フルHDのビデオを快適に編集するためにはハイスペックなPCが必要となるが、高性能なデュアルコアやクアッドコアCPU、大容量のHDDの値下がりが激しく、以前よりもローコストで快適な編集環境を構築できるようになっている。

AVC HDとは？

　AVC HDとは、松下電器産業とソニーが基本仕様を策定した、H.264ベースの録画フォーマット。ビデオカメラで使用されるような、小容量のメディア（8cmのDVD-Rやメモリーカードなど）に、高画質で十分な時間のハイビジョン映像を録画することが可能。

　現在は上記の2社以外に、キヤノンなども対応ビデオカメラを発売している。

ここ1年ほどで、ハイビジョン映像の録画フォーマットにAVC HDを採用したビデオカメラが多数登場している

AVC HDオーサリングも可能な編集ソフト

ユーリード

Ulead VideoStudio 11 Plus

標準価格：20,790円

問い合わせ先：0465-226-0180
URL：http://www.ulead.co.jp/

定番のビデオ編集ソフトの一つで、新たにAVC HDビデオの編集と、Blu-ray Discのオーサリング機能を搭載しているのが特徴。DVDにAVC HD形式で保存するAVC HDオーサリングも可能で、プレイステーション 3などを使って再生することも可能

ビデオカメラよりも少々遅れて登場してきたAVC HD対応のビデオ編集ソフト。今後はAVC HD対応がスタンダードになるだろう

Trend 3

デジタル放送はワンセグでカバー

　冒頭でPCでハイビジョンコンテンツが普及しない理由として、コンテンツそのものが少ないことを挙げた。その原因の一つとして考えられるのが、ハイビジョンコンテンツ最大の提供元である、デジタル放送を扱えないことである。現状ではハイビジョン番組を視聴、録画できるのは、基本的には対応DVDレコーダやテレビだけ。一部のメーカー製PCはデジタルチューナーを搭載しているが、アナログのテレビキャプチャデバイスのように、後から機能を追加できるような製品は、現時点では単体では販売されていない。

　しかし、デジタル放送そのものを、まったく扱えないというわけではない。確かにフルセグメントのハイビジョン放送の受信は行なえないが、携帯機器向けのデジタル放送である、「ワンセグ」であれば受信や録画が可能だ。

　解像度は大幅に落ちるものの、PCで作業を行ないながら見る、いわゆる「ながら見」をするようなときは、逆に小さい画面のほうが扱いやすい。現在さまざまなメーカーからUSB接続のワンセグチューナーがリリースされており、Windows Vistaのガジェットとして動作するソフトが付属したタイプの製品もある。

　集中して大画面で楽しみたい番組はテレビやDVDレコーダにまかせ、PC作業中になんとなく見るようなときにはワンセグを、というように使い分けるとよいだろう。

お手軽にワンセグ放送を受信・録画

アイ･オー･データ機器

SEG CLIP GV-SC200

標準価格：9,000円

問い合わせ先：03-6859-0389/076-260-1024
URL：http://www.iodata.jp/