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TEXT:鈴木雅暢 |
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Trend 2 |
Core 2 Duoは高クロック化&低価格化でコストパフォーマンスを強化 |
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ラインナップが充実 1,333MHzモデルが標準に |
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Intelの主力CPUであるCore 2 Duo Eシリーズは、クアッドコアのCore 2 Quadと低価格なPentium Dual-Coreの間に挟まれて今一つインパクト不足だった印象があるが、そう感じるのもそれだけ「あって当たり前の」標準的な存在になったということだろう。
2006年に一番人気モデルであったE6600は当時4万円前後で販売されていたが、2007年4月の価格改定で3万円前後になった。7月にはシステムバス1,066MHzモデルの価格改定がされない代わりに、システムバス1,333MHzの新モデルが格安で追加された。別掲した現在の実売価格を見ても分かるように、明らかに1,333MHzモデルのほうがお買い得となっている。
7月末以降、E6600に代わって1番人気に浮上したのがE6750。E6600よりもクロックが266MHz高いのに5,000円近く安く、1,333MHzモデルの中でもコストパフォーマンスがもっとも高い。また、Core 2 Duo E4000シリーズが加わり、2万円以下の選択肢が加わったのも大きい。さらに安いPentium Dual-Coreが登場したことで地味な印象はあるが、コストパフォーマンスは優秀だ。気が付けば1万5,000円以上からビッシリと強力な製品で埋めつくされており、まさに市場のスタンダードと言える。 |
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値頃感の高いシステムバス1,333MHzモデルが人気の超定番 |
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Intel |
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Core 2 Duo |
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発売以来絶大な人気を誇るIntelの主力製品。パフォーマンスと発熱のバランスが良好で、静かで高速なPCを自作したいユーザーには最適なモデルだ。現在はシステムバス1,333MHzに対応したE6x50シリーズがメインとなっている |
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対応ソケット:LGA775
コア数:2
64bit機能:Intel 64
省電力機能:EIST
TDP:65W |
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製品名 |
動作クロック |
2次キャッシュ |
システムバス |
実売価格
(前後) |
Core 2 Duo E6850 |
3GHz |
4MB |
1,333MHz |
34,000円 |
Core 2 Duo E6750 |
2.66GHz |
4MB |
1,333MHz |
24,000円 |
Core 2 Duo E6550 |
2.33GHz |
4MB |
1,333MHz |
22,000円 |
Core 2 Duo E6700 |
2.66GHz |
4MB |
1,066MHz |
40,000円 |
Core 2 Duo E6600 |
2.4GHz |
4MB |
1,066MHz |
29,000円 |
Core 2 Duo E6420 |
2.13GHz |
4MB |
1,066MHz |
25,000円 |
Core 2 Duo E6320 |
1.86GHz |
4MB |
1,066MHz |
22,000円 |
Core 2 Duo E4500 |
2.2GHz |
2MB |
800MHz |
18,000円 |
Core 2 Duo E4400 |
2GHz |
2MB |
800MHz |
15,000円 |
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Trend 3 |
使える、遊べるCPUが続出、低価格CPUが熱い! |
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デュアルコアは当たり前 ライトユースにも遊びにも |
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今もっともホットな動きを見せているのが、この1万円前後の価格帯のローエンドCPUだろう。2007年に入ってから値下がりを続けていたAthlon 64 X2の下位モデル(3800+)が1万円を切ったのが2007年の4月頃のこと。当時は1万円以下でデュアルコアCPUが入手できるということだけでも画期的だったが、6月にCore 2 Duoと同じCoreマイクロアーキテクチャを採用したPentium Dual-Coreが登場し、さらに大きなインパクトをもたらした。
Core 2 Duoの下位モデルという位置付けで追加されたPentium Dual-Coreは、2次キャッシュの容量、システムバス速度以外はCore 2 Duoと同じ。1万円前後のCPUとしては画期的な高性能と省電力性を兼ね備えたことで、小型静音PC向けや、ライトユーザー向けの実用CPUとして最適と言える。945GCチップセットを用意したことで1万円以下の超安価なマザーボードが流通したことも大きく、ライトユーザーの自作意欲を大いに喚起した。さらに、Core 2 Duo同様にオーバークロック耐性の高さが明らかになったことで、「遊べる」CPUとしての需要が爆発。耐性が高く過激なことをしなくてもある程度のオーバークロック動作が見込めることから、比較的ライトなユーザーまでも巻き込んでオーバークロックブームを引き起こしている。 |
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Intel |
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Pentium Dual-Core |
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実売1万円以下でも購入可能な非常に安価なデュアルコアCPU。廉価版ながらキャッシュ容量とシステムバスクロック以外は上位モデルと同等であり、非常にお買い得。オーバークロック耐性が高いことも人気の理由 |
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対応ソケット:LGA775
コア数:2
64bit機能:Intel 64
省電力機能:EIST
TDP:65W |
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製品名 |
動作クロック |
2次キャッシュ |
システムバス |
実売価格
(前後) |
Pentium Dual-Core E2180 |
2GHz |
1MB |
800MHz |
12,000円 |
Pentium Dual-Core E2160 |
1.8GHz |
1MB |
800MHz |
10,000円 |
Pentium Dual-Core E2140 |
1.6GHz |
1MB |
800MHz |
9,000円 |
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Trend 4 |
Phenomの登場間近!? どうなるAMD CPU |
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IntelがCore 2シリーズを中心に隆盛を極める一方で、世代交代の時期が遅れたAMDはここ1年ほどかなり苦しい戦いを強いられてきた。それでもハデさはないが、苦しい中でも地道に話題を提供し続けている。Athlon X2は、Phenomを中核とする新ブランド体系におけるローエンドとして、既存のAthlon 64 X2を再ブランディングしたものだが、TDPを45Wに抑えたことから小型静音PC向けとしてヒットした。
また、Black Editionもおもしろい試みだ。レギュラーモデルの6000+よりも上位の製品をAthlon 64 X2 6400+ Black Editionとしてリリースしたのに続き、Athlon 64 X2 5000+ Black EditionではCPUの倍率固定機能を解除し、倍率アップによるオーバークロックを可能にした。ほかに連動する部分がないためにシステムバスやメモリのクロックを気にせずオーバークロックができるのがメリットだ。このような細かいユーザーニーズをフォローする試みは評価できる。また、低価格攻勢も積極的に仕掛けてきたが、Intelが大幅な価格改定を実施するなどしたため、印象が薄くなってしまったのは残念である。Phenomシリーズの投入が間近に迫っているという事情もあるのか、再び価格下落傾向に入っており、安価に自作したいユーザーにとっては狙い目かもしれない。 |
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AMDファン待望の新ブランド Phenomがついに姿を現わす |
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2007年5月に発表された新ブランド体系では、フラグシップにPhenom FXを置き、主力としてクアッドコアのPhenom X4とデュアルコアのPhenom X2を、その下のローエンドにAthlon X2という位置付けが明らかにされた。そして、Phenom X4とPhenom X2の間には後からトリプルコアモデルの追加も発表されている。
その新ブランド体系の中核となるPhenomシリーズは、従来のK8コアの発展型となる。その特徴としては、CPUコア内部のFPUユニットを64bitから128bitに拡張。そして、各コアごとに内蔵する1次/2次キャッシュに加えて、共有型の3次キャッシュを内蔵する。システムバスとして2.6GHzのHyperTransport 3.0を採用し、コア単位で電圧を制御する「Split Power Plane」、クロックと電圧を動的に変化させる「Cool'n'Quiet 2.0」などの機能が採用される。
Phenomシリーズの中でも、とくに注目されるのが、AMD初のPC向けクアッドコアCPUであるPhenom X4だ。これは、一つのダイに4コアを内蔵する「ネイティブクアッドコア」である点が新しい。2ダイでクアッドコアを実現しているIntelの現行クアッドコアCPUよりも理屈的には性能面で優れていると考えられ、実際の威力が大いに注目される。 |
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AMD |
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Athlon 64 X2 |
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コストパフォーマンスに優れるAMDの主力デュアルコアCPU。最上位モデルでも3万円以下とお手頃な価格設定になっている。5200+以下のモデルではTDPが65Wと発熱も抑えられている |
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対応ソケット:Socket AM2
コア数:2
64bit機能:AMD64
省電力機能:Cool'n'Quiet
TDP:125W(5600+以上のモデル)、65W(5200+以下のモデル) |
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製品名 |
動作クロック |
2次キャッシュ |
システムバス |
実売価格
(前後) |
Athlon 64 X2 6400+ Black Edition |
3.2GHz |
1MB×2 |
2,000MHz |
27,000円 |
Athlon 64 X2 6000+(89W) |
3GHz |
1MB×2 |
2,000MHz |
24,000円 |
Athlon 64 X2 6000+ |
3GHz |
1MB×2 |
2,000MHz |
20,000円 |
Athlon 64 X2 5600+ |
2.8GHz |
1MB×2 |
2,000MHz |
18,000円 |
Athlon 64 X2 5200+ |
2.6GHz |
1MB×2 |
2,000MHz |
16,000円 |
Athlon 64 X2 5000+ Black Edition |
2.6GHz |
512KB×2 |
2,000MHz |
16,000円 |
Athlon 64 X2 5000+ |
2.6GHz |
512KB×2 |
2,000MHz |
14,000円 |
Athlon 64 X2 4800+ |
2.5GHz |
512KB×2 |
2,000MHz |
13,000円 |
Athlon 64 X2 4400+ |
2.3GHz |
512KB×2 |
2,000MHz |
11,000円 |
Athlon 64 X2 4200+ |
2.2GHz |
512KB×2 |
2,000MHz |
10,000円 |
Athlon 64 X2 4000+ |
2.1GHz |
512KB×2 |
2,000MHz |
9,000円 |
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AMD |
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Athlon X2 |
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TDPを45Wに抑えた省電力デュアルコアCPU。基本的なスペックはAthlon 64 X2と変わりない。最新モデルのBE-2400では動作クロックが2.3GHzまで引き上げられている |
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対応ソケット:Socket AM2
コア数:2
64bit機能:AMD64
省電力機能:Cool'n'Quiet
TDP:45W |
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製品名 |
動作クロック |
2次キャッシュ |
システムバス |
実売価格
(前後) |
Athlon X2 BE-2400 |
2.3GHz |
512KB×2 |
2,000MHz |
13,000円 |
Athlon X2 BE-2350 |
2.1GHz |
512KB×2 |
2,000MHz |
11,000円 |
Athlon X2 BE-2300 |
1.9GHz |
512KB×2 |
2,000MHz |
10,000円 |
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