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TEXT:鈴木雅暢 |
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ここではローエンドCPUをターゲットにマザーボード選びを考えよう。想定しているのは、Pentium Dual-Coreなどである。このクラスのCPUの最大の魅力は、何と言ってもデュアルコアならではのマルチタスク処理性能を持ちながら、価格が安く、そして消費電力も小さいこと。あまり負荷の高くない日常的な作業をこなすPCをできるだけ安く作りたい人、あるいは特定用途向けにほかの部分にコストをかけたいため、CPUのコストを抑えたい人に向いている。具体的には消費電力の小ささを活かしたリビングPCなどが思い浮かぶ。
前者の場合、CPUの実売価格を大幅に超えるような高価なマザーボードを使ったのでは、せっかく安いCPUを使っても中途半端な価格のわりに性能が低い中途半端なシステムになってしまう。最大でも1万5,000円、できれば1万円以下のマザーボードで使いたいところだろう。ただし、Intel CPU向けの低価格マザーボードの選択肢はあまり多くなく、とくに新しいP35チップセットやG33チップセットを搭載した安価な製品を見付けるのは難しい。旧世代のチップセットを搭載した製品から対応製品を見付けることになるだろう。システムバスや電源仕様への対応が問題になることはないが、比較的新しく追加されたCPUであるために、旧型のマザーボードではBIOSが対応していない可能性がある点に注意したい。
リビングPC向けとしては、HDMI出力に対応した強力な動画再生支援機能を持つビデオカード、そして、Blu-ray DiscドライブやHD DVDドライブなどの搭載を意識するところ。価格にこだわるよりは安心感を優先したほうがよい。このため静音化を強く目指すならば、放熱面で有利な多フェーズVRMや高品質コンデンサを搭載した製品を使うという選択もアリだろう。 |
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コンパクトな静音リビングPCを作るなら、ベアボーンを利用する手もある。写真はShuttleのXPC Glamor SG33G5(実売4万2,000円前後) |
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Pentium Dual-Core E2160 |
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実売価格:13,000円前後 |
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問い合わせ先:0120-868686(インテル)
URL:http://www.intel.co.jp/ |
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1万円強で買える手頃さが魅力の激安デュアルコアCPU。2次キャッシュ容量はCore 2 Duo E4xxxシリーズよりさらに少ない1MBとなっている。対応システムバスは800MHz |
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CPU |
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Pentium Dual-Core 2140 |
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実売価格:10,000円前後 |
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マザーボード |
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GIGABYTE GA-945GCMX-S2 |
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実売価格:8,000円前後
問い合わせ先:03-5812-6120(リンクスインターナショナル)
URL:http://tw.giga-byte.com/ |
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最廉価なIntel製デュアルコア+旧世代チップセットの激安マザーボード。とにかく安さを追求した組み合わせ |
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CPU |
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Pentium Dual-Core 2160 |
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実売価格:13,000円前後 |
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+ |
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マザーボード |
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ASUSTeK P5K-VM |
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実売価格:21,000円前後
問い合わせ先:news@unitycorp.co.jp(ユニティ コーポレーション)
URL:http://www.asus.co.jp/ |
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初期導入コストを抑えつつ、システムバス1,333MHzや将来の45nm製造CPUに対応、ビデオカードのアップグレードパスも確保 |
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AMD CPUのマザーボード選びはここに独立して取り上げる。AMD CPUもハイエンド/ミドルレンジ/ローエンドに分類することはできるが、相次ぐ価格改定によってモデルごとの価格差が極端に小さくなっている上、Phenomブランドの新CPU/AM2+プラットフォームの新チップセット搭載マザーボードの登場を控え、現行Socket AM2プラットフォームは成熟期に入っており、マザーボードの選択肢がかなり少なくなっている。
Athlon 64 X2のラインナップを特徴別に分けると、TDP 125WのハイエンドCPU(6000+、6400+)、TDP 65Wのミドルレンジ~ローエンド(5200+以下)、TDP 45Wのローエンド(Athlon X2)といったものになる。一方で、マザーボードはAMD 690Gチップセットを搭載した1万5,000円から1万円前後の低価格製品がほとんど。理屈から考えれば、TDP 125WのハイエンドCPUは多フェーズVRMや高品質コンデンサを搭載するようなマザーボードを選択肢として検討したいところだが、そのような真にハイエンドと言える製品はフェードアウトしつつあり、どのCPUを利用する場合でも似たような選択をすることになる。
もっとも、主力のAMD 690GチップセットやライバルのnForce 7050 PVチップセットは、HDMI出力を標準サポートしたVista Readyのグラフィックスコアを内蔵する上、South BridgeにもRAID機能やギガビットLAN機能などを備える魅力的な仕様となっており、これを搭載したマザーボードが安価で手に入るのは歓迎すべきことではある。
CPU自体もAthlon 64 X2 6000+の実売価格が2万2,000円前後と、ミドルレンジクラスの価格帯まで下がってきており、とにかく高性能なシステムがお手頃な価格で構成できる環境が整っているのが、AMD CPUの最大の魅力と言える。 |
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Athlon X2 BE-2350 |
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実売価格:12,000円前後 |
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問い合わせ先:0120-263-669(日本AMD)
URL:http://www.amd.co.jp/ |
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Athlon 64 X2のレギュラーモデルより一段階低い45WのTDPから、小型静音PC向けのCPUとして注目を集めている低価格デュアルコアCPU。動作クロック2.1GHz、2次キャッシュ1MB(512KB×2)という仕様 |
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新ブランドのPhenomシリーズは現行のSocket AM2と同じソケット仕様を採用するが、AM2+プラットフォームに対応した新チップセットとの組み合わせで真価を発揮する。現行のSocket AM2マザーボードでも、メーカーから対応BIOSが用意される製品は、PhenomシリーズのCPUが利用できる(一部機能制限あり)。対応BIOSがリリースされるかどうかはメーカーしだいだが、すでに対応BIOSのリリースが予告された製品もあるので、このような製品を選べば確実だ。 |
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CPU |
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Athlon 64 X2 6000+ |
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実売価格:23,000円前後 |
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マザーボード |
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ASUSTeK M2A-VM HDMI |
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実売価格:10,000円前後
問い合わせ先:news@unitycorp.co.jp(ユニティ コーポレーション)
URL:http://www.asus.co.jp/ |
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レギュラーモデル最上位のAthlon 64 X2 6000+と定番マザーボードの組み合わせ。HDMI出力が可能で、リビングPCにも向く |
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リビングPC
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