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その他の特集（2011年）

激突！Bulldozer vs. Sandy Bridge

震撼性能！　Sandy Bridgeに死角なし!!

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組み立て編

TEXT：橋本新義

LGA775用リテールクーラーのピンが壊れた！
～予防法とリカバリー策～

■	軟らかいものを敷くのがコツ交換用のピンで修理する方法も

　LGA775用のリテールCPUクーラーは、ピンを押し込んでマザーボードに固定する方式が採用されている。この固定方法は便利である半面、構造的な問題から慣れないうちは破損事故を起こしやすいという面も持ち合わせている。

　もっとも多いケースが、写真で紹介したような「ペグ」と呼ばれる白い部品を破損させてしまう事故だ。LGA775用のリテールCPUクーラーをマザーボードに固定するためには、

（1）ペグの先端をマザーボードの穴に通す
（2）ピンを押し込み、ペグの中央にアンカー（黒い部品）を貫通させる

という手順を踏むのだが、机の上や床などの平面で硬い場所で取り付けようとすると、（1）の時点でペグが曲がってしまい、壊れてしまうことがある。

　このような事故を防ぐには、あらかじめマザーボードの下に雑誌などの軟らかいものを敷いてから装着するとよい。

　確認手順を含めた装着法を右に紹介するので、ぜひ参考にしてほしい。また、破損してしまったピンの代わりとなる交換用ピンや、リテンションキットなども販売されているので、こうしたパーツを活用するのも一つの手だ。

よくある失敗例

硬い場所の上でピンを押すと……
リテールCPUクーラーのピンは、結構強く押さないとしっかり固定できない。そこで安定した机の上などで固定しようとすると……

ピンがダメに！
中央の黒いアンカーは堅くて頑丈なのだが、周囲の白い「ペグ」部分は意外ともろく、簡単に曲がってしまう。これではアンカーを固定できない

失敗しないLGA775用CPUクーラー装着法

ペグが曲がる事故を避けるには、マザーボードの下に軟らかいものを敷くのがよい。パワレポはサイズ的にもぴったりなのでオススメ

CPUクーラーを装着する前に、念のためアンカーを引っ張ってペグの先端にアンカーが入っていないことを確認しておこう

次に、必ずアンカーが矢印と反対の向きに回っているか確認する。矢印側に回っていると、ロックが不十分なままで装着されてしまう

アンカーは対角線上の二つを同時に押し込むとよい。装着後は必ずマザーボードを裏返し、ペグの先端にアンカーが貫通したことを確認しよう

壊れたら、これでリカバー

アイネックス

BS-775

実売価格：1,000円前後

問い合わせ先：042-467-7676
URL：http://www.ainex.jp/

LGA775用リテールCPUクーラー装着時の、マザーボードの歪みを防ぐアイテム。スプリングが付いているので、固定力が高まり熱伝導率もアップする

ピンを外す。2カ所あるロック部分をマイナスドライバーで広げる

マザーボードにリテンションを装着。裏側にチップが付いているマザーは破損に注意

ピンを外したクーラーにバネとネジを取り付けて止める。ネジはかなり強く回してもOK

シリコングリスの正しい量と塗り方は？

■	大は小を兼ねる。少ないよりは多めに塗ろう

　PC自作の分かりにくい箇所の定番の一つが、シリコングリスの量と塗り方だ。

　シリコングリスの役割は、CPUから発せられた熱をクーラーへ伝えることだ。CPUの表面とクーラー側のCPUとの接触面の間にある細かい隙間を埋め、熱の移動を効率的にするものである。しかし、クーラーとCPU表面が直接接触する部分にグリスが入り込んでしまうと、かえって効率が下がってしまう。CPU表面のグリスを薄く塗り広げることを勧める情報が多いのは、このためだ。

　しかし、それはCPUクーラーの取り付け圧力が今よりずっと弱かった時代の話だ。現在ではLGA775やSocket AM2用のCPUクーラーは、取り付け圧力が非常に強いため、余ったグリスは簡単に押し出されてしまう。

　そのため、グリスは中央付近に適量を盛り付けてクーラーを装着するという手法がよい（自動的にグリスが広がるため）。これは「空気を入れない」という原則にも見合う塗り方だ。

　そしてグリスの正しい量は下の写真を参考にしてもらいたいが、中央に豆粒大程度に乗せるだけで構わない。多少多めに塗っても構わないが、あまり多く塗り過ぎると、CPUソケットからはみ出してしまうので注意しよう。

少な過ぎよりはちょっと多めに
実際のグリスの量はあまりシビアではない。写真の豆粒大程度がよいが、多くても大丈夫。慣れないうちは、ちょっと多めに塗るぐらいがよい

クーラーで押しつぶせばOK
左のグリスをCPUクーラーを装着して外した状態。CPU表面に対して、これぐらいの面積をカバーしていれば十分だ

ケース内温度は何度に保てばよいのか？

■	目安はIntel提唱の38℃だがそこまでシビアになる必要はない

　自作PCにある程度慣れてくると、気になってくるのが冷却の性能だ。普段はあまり意識しないが、PCのコンディションを保つという点において、実はケース内の温度は重要だ。基本的にCPUと同じで、ケース内の温度も低いほうが熱による故障の可能性が少なくなり、パーツの寿命（とくにマザーボード上のコンデンサなど）が延びるからだ。

　実はこのケース内温度には一つの目安がある。それはIntelが提唱する「38℃」という値だ。これはPrescottコア版のPentium 4が登場した際、CPUクーラーに入る空気の基準温度として設定した値である。現在でもIntel製CPUの熱設計は、この基準がもとになっているのだ。

　しかし、実際のところ38℃という温度は、タワー型のPCケースできっちり冷却していれば余裕の値だ。またCore 2 Duoなど、最近のCPUは発熱自体が小さいため、ケース内温度は当時よりシビアではなくなっている。その点では、極端に気にかける必要はないと言える。

　ケース内温度を測るには、マザーボードの温度センサーをBIOSなどで見るのが一般的だ。ただし、センサーの装着されている位置はマザーボードによってまちまちなので、ほかのマザーボードと比較するのはあまり意味がない。