 |
 |
TEXT:芦澤英一、鈴木雅暢 |
 |
 |
 |
マザーボード編 |
|
 |
最近のマザーボードでは、“高級化”と“多機能化”が目立つ。冷却機構の大型化、コンデンサの耐性強化、オンボードグラフィックスの機能アップなどが具体的なポイントだ。また、Intel 3シリーズチップセットの登場で、Intel、AMD両者の役割が2極化しつつある。 |
 |
 |
 |
2極化したIntelとAMD |
 |
Intelの新チップセットP35とG33がリリースされ、45nmプロセスルールを採用する次世代CPUへの対応体制が整った。対応メモリも、従来どおりのDDR2に加え、高速で低消費電力のDDR3メモリをサポート。また、近々発売予定のCore 2 Duo E6750(Conroeコア)からは、システムバス1,333MHz化による性能向上も期待できる。最新で最速のPCを組むなら、今はIntelプラットフォームが旬と言えるだろう。

対するAMDプラットフォームは、最近グラフィックス機能統合型チップセットが熱い。AMD 690G、NVIDIA GeForce 7050 PVといった最新チップセットはVistaのAeroに対応するグラフィックスコアを持ち、DVI/HDMIなどの多彩な映像出力を備え、動画再生支援機能に対応。搭載マザーボードの価格も安めなので、価格改定によってぐっと買いやすくなったAthlon 64 X2と合わせて、ローコストで高性能なシステムを組める。実用性が高くコストパフォーマンスに優れたPCを作るなら、今はAMDプラットフォームが魅力的なのである。 |
 |
 |
 |
性能を求めるならIntel系
パフォーマンスと将来性を重視するなら、Intelプラットフォームがお勧め。Core 2 Extreme/Core 2 QuadなどのハイエンドCPUが選択可能で、新チップセット「Intel 3シリーズ」搭載マザーボードなら次世代CPUへの対応も保証されている。しかし、現行のデュアル/クアッドコアCPUをしばらく使用するつもりなら、あえて今は値下がり気味のIntel P965/G965といった前世代マザーボードを選択する手もある。同じCPUなら性能差はほとんどなく、コストを抑えることができるからだ。 |
 |
低価格で組むならAMD系
なるべくコストを抑えて自作したいなら、AMDプラットフォームがお勧め。「AMD 690G」といったグラフィックス機能統合型マザーボードとデュアルコアCPU「Athlon 64 X2 3800+」との組み合わせが、今なら約2万円で入手できる。このコストパフォーマンスの高さが現在のAMDプラットフォームの魅力だ。3D系のゲームなど、極端に高負荷なグラフィックス処理を求めなければ、チップセット内蔵のグラフィックスコアで十分だし、後からビデオカードを追加するといった方法もある。 |
 |
 |
 |
 |
 |
 |
 |
 |
 |
Coreマイクロアーキテクチャの高性能CPUを使えるのがIntelプラットフォーム最大の魅力だ |
 |
価格改定で一気に魅力の増したAMDのCPU。Core 2 Duoには劣るが決して性能が悪いわけではない |
|
 |
MCH/North Bridge |
Intel P35 |
Intel G33 |
Intel P965 |
Intel G965 |
対応CPUソケット |
LGA775 |
LGA775 |
LGA775 |
LGA775 |
システムバス(最大) |
1,333MHz |
1,333MHz |
1,066MHz |
1,066MHz |
メモリインターフェース(最大) |
DDR3-1066/
DDR2-800 |
DDR3-1066/
DDR2-800 |
DDR2-800 |
DDR2-800 |
メモリ容量(最大) |
8GB |
8GB |
8GB |
8GB |
グラフィックス機能 |
- |
GMA 3100 |
- |
GMA X3000 |
対応ICH/South Bridge |
ICH9シリーズ |
ICH9シリーズ |
ICH8シリーズ |
ICH8シリーズ |
|
 |
MCH/North Bridge |
AMD 690G |
NVIDIA nForce 680i SLI |
NVIDIA GeForce 7050 PV |
対応CPUソケット |
Socket AM2 |
LGA775 |
Socket AM2 |
システムバス(最大) |
2,000MHz |
1,333MHz |
2,000MHz |
メモリインターフェース(最大) |
CPUによる |
DDR2-800 |
CPUによる |
メモリ容量(最大) |
CPUによる |
8GB |
CPUによる |
グラフィックス機能 |
Radeon X1250 |
- |
GeForce 7050 PV |
対応ICH/South Bridge |
SB600 |
nForce 680i SLI MCP |
nForce 630a |
|
 |
ICH/South Bridge |
ICH9R |
ICH9 |
ICH8R |
ICH8 |
IDEインターフェース |
- |
- |
- |
- |
Serial ATAインターフェース |
3Gbps×6 |
3Gbps×4 |
3Gbps×6 |
3Gbps×4 |
eSATAポートマルチプライヤー |
○ |
- |
- |
- |
USB 2.0 |
12 |
12 |
10 |
10 |
RAID |
RAID 0/1/0+1/5 |
- |
RAID 0/1/0+1/5 |
- |
|
 |
ICH/South Bridge |
SB600 |
nForce 680i SLI MCP |
nForce 630a |
IDEインターフェース |
Ultra ATA/133×1 |
Ultra ATA/133×1 |
Ultra ATA/133×1 |
Serial ATAインターフェース |
3Gbps×4 |
3Gbps×6 |
3Gbps×4 |
eSATAポートマルチプライヤー |
- |
- |
- |
USB 2.0 |
10 |
10 |
12 |
RAID |
RAID 0/1/0+1 |
RAID 0/1/0+1/5、JBOD |
RAID 0/1/0+1/5 |
|
 |
新チップセットP35/G33で何が変わった? |
 |
P35/G33は、年末から来年にかけての登場が予想されている次世代CPU「Penryn」(開発コードネーム)に対応する、Intel 3シリーズの主軸となるチップセットだ。前世代のP965/G965チップセットと比較して、いくつかの機能向上が図られている。 |
 |
 |
 |
■ |
システムバスが1,333MHzに向上 DDR3メモリもサポート |
|
 |
前世代のチップセットと比較して、明確に異なるのは、システムバスクロック1,333MHzのCPUと、DDR3メモリに対応したことだ(DDR2メモリもサポート)。DDR3メモリは、1,066MHz(PC3-8500)以上の高クロックをサポートし、動作電圧が1.5Vに低減されている(DDR2は800MHzで1.8V)。ただし、価格が同容量のDDR2メモリよりはるかに高価であり、とくに価格に見合った性能差も出ていないことから、P35/G33搭載マザーボードはDDR2仕様の製品が圧倒的に多いのが現状だ。 |
 |
 |
 |
P35/G33チップセット
いち早く発売されたIntel 3シリーズのMCHとGMCH。システムバスが1,333MHzに上がったことと、DDR3メモリをサポートしたことが最大の特徴と言えるだろう。 |
 |
 |
 |
|
 |
対応するICHは、ICH9/ICH9DH/ICH9Rの3種類。ICH8と違うのは、USB 2.0の対応ポート数が10ポートから12ポートに増加したこと、フラッシュメモリを用いてHDDを高速化するIntel Turbo Memory(ICH9Rのみ)、一つのeSATAポートを分岐して複数のデバイスを接続できるeSATAポートマルチプライヤー(ICH9Rのみ)などに対応すること。また、ICH8ファミリーでは、ICH8DHがRAID機能とIntel Viivテクノロジ向けの機能を加えた最上位チップだったのに対し、ICH9DHはRAID機能などが省かれており、製品の位置付けが変化している。 |
 |
 |
 |
ICH9/ICH9DH/ICH9Rチップセット
USB 2.0が12ポートに増強されたICH9/ICH9DH/ICH9R。ICH9Rは、RAID、Intel Turbo Memory、eSATAのポートマルチプライヤーなどに対応する最上位モデル。 |
 |
 |
 |
|
 |
G33はDirectX 9に対応するグラフィックスコアGMA 3100を内蔵する。残念ながら前世代G965のGMA X3000と比較すると性能は劣っているが、VistaのAero環境で快適に使える程度のパフォーマンスは確保している。詳しい性能についてはp.66のベンチマークを参照してほしい。 |
 |
 |
 |
P35/G33の変更点 |
 |
・45nmプロセスルールの次世代CPUに対応
・システムバスクロック1,333MHzに対応
・高クロック+低消費電力のDDR3メモリに対応
・USB 2.0は12ポートに
・フラッシュメモリでHDDを高速化するIntel Turbo Memoryに対応(ICH9R)
・eSATA対応機器を1ポートで複数接続できるポートマルチプライヤーに対応(ICH9R) |
 |
最新チップセットを採用した売れ筋ミドルレンジマザー |
|
 |
ASUSTeK |
 |
 |
 |
P5K |
|
 |
実売価格:21,000円前後 |
 |
問い合わせ先:news@unitycorp.co.jp(ユニティ コーポレーション)
URL:http://www.asus.co.jp/ |
 |
ベストセラーとなったP5Bの後継とも言えるDDR2仕様のIntel P35搭載スタンダードモデル。全面的に固体コンデンサが採用され、ヒートパイプを採用したファンレス冷却機構を搭載するなど、機能はシンプルながら安定性には万全の対応がなされている |
 |
フォームファクター:ATX
CPUタイプ:LGA775
対応CPU:Core 2 Extreme、 Core 2 Quad、Core 2 Duo、Pentium Extreme Edition、Pentium D(FSB 800MHz以上)、Pentium 4(FSB 800MHz以上)
チップセット:Intel P35+ICH9
メモリスロット: PC2-10600/8500/6400 DDR2 SDRAM×4(最大8GB)
グラフィックス機能:-
拡張スロット:PCI Express x16×1、 PCI Express x4(x16形状)×1、 PCI Express x1×1、PCI ×3
HDDインターフェース: Serial ATA 2.5×5、eSATA×1、Ultra ATA/133×1
RAID:RAID 0/1、JBOD
LAN:1000BASE-T×1 |
|
 |
Intel |
 |
 |
 |
DG33TLM |
|
 |
実売価格:18,000円前後 |
 |
問い合わせ先:0120-868686(インテル)
URL:http://wwww.intel.co.jp/ |
 |
グラフィックスコアIntel GMA 3100を統合したG33を採用するmicroATXフォームファクターの製品。RAID対応のICH9Rを採用しながら、新チップセット搭載製品としては安価なところがうれしい。バックパネルには、DVI-IとDsub 15ピンのディスプレイ出力を備えている |
 |
フォームファクター:microATX
CPUタイプ:LGA775
対応CPU:Core 2 Extreme、 Core 2 Quad、Core 2 Duo
チップセット:Intel G33+ICH9R
メモリスロット:PC2-6400/ 5300 DDR2 SDRAM×4(最大8GB)
グラフィックス機能: Intel G33内蔵(GMA 3100)
拡張スロット:PCI Express x16×1、PCI Express x1×2、PCI×1
HDDインターフェース: Serial ATA 2.5×6、 Ultra ATA/133×1
RAID:RAID 0/1/0+1/5
LAN:1000BASE-T×1 |
|
|
|