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TEXT:長畑利博 |
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コストパフォーマンスで比較する |
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HDDは容量ごとの実売価格ばかりが気になるが、「GB単価」も重視したい。GB単価とはHDDの販売価格を容量で割り、1GBあたり何円になるかを算出したもので、コストパフォーマンスの指標となる。

下の表を見ると分かるように、80GBモデルは確かに実売価格が安いが、1GB単価では割高となる。現在1GB単価でもっとも優れているのは320GBモデルだが、低価格化が進む500GBモデルが取って代わる可能性も高い。 |
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主要HDDモデルの実売価格と1GBあたりの単価イメージ |
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実売価格 |
1GBあたり |
1TB |
52,000円前後 |
約52円 |
750GB |
33,000円前後 |
約44円 |
500GB |
16,000円前後 |
約33円 |
400GB |
13,500円前後 |
約32円 |
320GB |
9,500円前後 |
約29円 |
250GB |
8,500円前後 |
約31円 |
160GB |
6,500円前後 |
約41円 |
80GB |
5,500円前後 |
約66円 |
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Seagate |
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Barracuda 7200.10 ST3320620AS |
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実売価格:9,300円前後 |
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URL:http://www.seagate.com/ |
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従来の水平面内記録方式に比べて面積単位での記憶容量を大きくできる垂直記録方式を3.5インチHDDで初めて採用した、Seagateの主力モデル。80GBから750GBまで、幅広い容量のモデルをラインナップしているのが特徴。IDEモデルもある。 |
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容量:320GB
回転数:7,200rpm
キャッシュ:16MB |
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Western Digital |
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WD Caviar SE16 WD3200AAKS |
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実売価格:9,500円前後 |
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URL:http://www.wdc.com/jp/ |
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同社の主力モデルで、7,200rpmの高回転モデルながら設計の見直しによって、5,400rpmモデル並みの動作温度を実現しているのがウリ。容量は250GBから500GBまでラインナップされている。 |
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容量:320GB
回転数:7,200rpm
キャッシュ:16MB |
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GB単価重視で選ぶなら320GBモデル

GB単価がもっとも低いのは320GBモデル。価格がもっとも安い80GBモデルは、GB単価では一番高いという結果となるのがおもしろい。今後は急速に価格が下がってきた500GBにも注目したい。 |
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付加価値で選ぶ |
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差別化のアプローチは、容量やデータ転送速度といったものだけではない。たとえば、Seagateの「Barracuda ES」は、信頼性を重視した製品だ。Barracuda ESは専用のテスト工程とファームウェアを用意することで、24時間365日稼働の環境下でも十分な信頼性を確保しているのが特徴となっている。

また、同社のエントリーモデルである「Barracuda 7200.9(Low Profile)」も特徴的な製品だ。厚みが19.99mmと、一般的な3.5インチHDDよりも約6mmも薄い。薄型であれば、ケース内でのエアフローが改善され、温度の上昇を防ぎ、結果として製品寿命を伸ばすことにもなる。キューブタイプベアボーンなど、スペースが限られるようなPCで有効活用したい。 |
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Seagate |
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Barracuda ES ST3320620NS |
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実売価格:12,000円前後 |
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URL:http://www.seagate.com/ |
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Enterprise Storageと名付けられた信頼性重視のモデル。アクセスから12秒以内に問題が出た場合に警告を行なう「ERC」(Error Recovery Control)や危険域まで温度が上昇した場合、回転数を落とす機能などが備えられている。 |
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容量:320GB
回転数:7,200rpm
キャッシュ:16MB |
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Seagate |
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Barracuda 7200.9 ST3160811AS |
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実売価格:7,500円前後 |
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URL:http://www.seagate.com/ |
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Barracuda 7200.10の1世代前のモデルをベースとしたLow Profileモデル。1プラッタ構成とすることで、厚みが19.99mmと通常のモデルより約6mm薄くなっているのが特徴。小型ベアボーンPCなどで、エアフローを確保したい場合に最適。 |
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容量:160GB
回転数:7,200rpm
キャッシュ:8MB |
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用途に合わせて使うのがベスト

GB単価から見たコストパフォーマンスで考えると、ここで紹介しているHDDを使う必要性は薄くなる。しかし、付加価値に魅力を感じる人にとっては、ほかに代え難いものとなるはず。 |
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静音性を比較する |
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CPUの低消費電力化や静音、ファンレスビデオカードの増加などにより、以前よりもHDDの騒音が目立ちやすくなってきた。静音ケースといったHDD向けの静音パーツなどもあるが、HDDそのものの騒音が小さいほうがよいというもの。そこで、各モデルの騒音を計測してみた。

計測方法はSerial ATA-USB変換アダプタを用いてHDDをノートPCと接続。むき出しの状態でスポンジの上に設置し、約2cmの距離から騒音計で計測した。

結果を見ると、日立GSTのDeskstar 7K160とSamsungのSpinPointが良好な結果を出している。SeagateのBarracuda 7200.10やBarracuda ESは高負荷時の騒音が大きいのが気になった。

また、今回は紹介できなかったが、Samsungからはさらに静音性を追求したモデル、SpinPoint S166シリーズが登場するほか、フラッシュメモリを搭載したハイブリッドHDDや大容量SSD(Solid State Disk)の登場といったトピックもあるので、注目したいところだ。 |
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【ベンチマーク環境】

使用PC:富士通 FMV-BIBLO LOOX T70S/V(CPU:Intel Pentium M 733
チップセット:915GMS、メモリ:PC2-3200 DDR2 SDRAM 512MB
ビデオ:915GMS内蔵、OS:Windows XP Home Edition SP2)
HDDはSerial ATA-USB変換ケーブルで接続 |
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Samsung |
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SpinPoint T166 HD321KJ |
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実売価格:9,500円前後 |
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URL:http://www.samsung.com/jp/ |
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同社のコンシューマ向け主力モデル。搭載しているキャッシュ容量が8MBと、ほかのメーカーの320GBモデルと比較すると少ないが、価格が安く、静音性に優れるHDDとして重宝するはずだ。500GBモデルもラインナップされている。 |
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容量:320GB
回転数:7,200rpm
キャッシュ:8MB |
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価格と静音性は直結しない

優秀な成績を修めたのが、SamsungのSpinPoint T166。実際、耳で聞いてみても騒音はほとんど気にならない。日立GSTの7K160は、シーク音がやや気になることがあったが、こちらもオススメ。 |
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Serial ATAドライブをそのままリムーバブルディスクとして利用できる5インチベイアイテムや、定番のHDDケースなどによって、大容量HDDを気軽に追加したり交換したりできる環境も整ってきた。その意味では値頃感の出てきた320GBから500GBクラスは容量の大きな動画データの保存場所としては最適と言えるだろう。

また、動画を扱わない方であれば、価格帯と付加価値で選んでもよい。OSやアプリケーションなどの起動に使うシステム用HDDであればキャッシュ容量の大きなものやディスクアクセスの速い高回転モデルがオススメだが、実売価格の安いモデルを複数台使い、RAID 0環境を構築してアクセスを高速化するのも悪くないだろう。ただ、サーバーのように長時間電源を入れっぱなしにする環境であれば、信頼性の高いモデルを選びたいところである。 |
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高級モデルで選ぶなら
Seagate
Barracuda ES
HDDは基本的に消耗品だが、大切なデータの紛失を防ぐために、できるだけ信頼性の高い製品を選びたい |
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低価格モデルで選ぶなら
日立GST
Deskstar T7K500
性能のバランスよさが魅力。とくに320GBモデルがGB単価も実売価格も安くてオススメだ |
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