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TEXT:保坂陽一 |
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激安自作の時代は終わった?

ほどほど安くしっかり使えるVistaマシン |
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最後は自作PCの永遠のテーマの一つ、いわゆる激安マシンだ。ある意味自作の醍醐味とも言うべきところだが、Windows XPや2000をインストールするならともかく、VistaでAero環境を使ってみたいというなら、必要なポイントは押さえておかなくてはならないだろう。

CPUに関しては、ローエンドクラスのシングルコアCPUでも、意外に動作に問題はない。よって、ここは削ってよいポイントだ。AMDのSempronや、IntelのCeleron Dといったレベルでよいということは、2、3年前のCPUでもOKということになる。ビデオカードの拡張スロットなどの問題はありそうだが、何とか安くしたいのであれば、旧マシンのアップグレードですませるというのも視野に入れておこう。メモリに関しては、少々投資してでも1GBは乗せておきたい。PC2-6400ではなく、PC2-5300のものを選ぶだけでも価格はいくらか下がるはずだ。

続いてグラフィックス機能だが、やはり安く作るのであれば、オンボードグラフィックス機能を活用するのが一番だろう。狙い目は、AMDプラットフォームであればここで選んでいるGeForce 6150クラス、IntelであればG965搭載のものだが、どちらかと言えばG965マザーボードはやや高価。ここでCPUにSempronを選んでいるのはこうした部分を考えてということでもある。また、最近では低価格なオンボードグラフィックス機能搭載マザーボードでも、PCI Express x16スロットを備えていないものはまずない。オンボードで動作に納得できなかったら、ビデオカードを追加してみてはいかがだろうか。なお、オンボードグラフィックス機能を搭載しているマザーボードは多いが、1万円ちょっとでDVI出力を備えているものは意外と少ない。ここで使用しているASUSTeKの「M2NPV-VM」はなかなかオイシイ1枚だ。2万円を切る激安液晶ディスプレイにもDVI入力が付いている昨今、激安PC側もこだわりを持ちたいところである。

あとはHDDと光学ドライブといったところだが、HDDに関しては、正直言ってコストのために容量の少ないものを選ぶのはナンセンスだと思う(ビジネス用マシンなどであればその限りではないが)。80GBと300GBで5,000円程度しか値段が変わらないという現状は、なかなか悩ましいところだ。光学ドライブにも同じようなことが言えるだろう。

こんな感じで組んでみても、価格は5万円を切っている。OSも買わなくてはならないが、中古パーツや特価品を探し回って集めれば、もっと安くできるはずだ。“Aero縛り”の安マシンにあなたも挑戦してみてはいかがだろうか。
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AMD
Sempron 3000+

6,500円前後と、現行のCPUとしては最安価クラスのCPUだが、Vistaを動作させるには意外に悪くない性能だ。コストを考えるなら、その分をメモリやグラフィックス機能に回すのがよいだろう |
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安いからと言ってATXケースにmicroATXマザーボードを組み合わせるのは、ちょっとカッコ悪い気もするが、作業性やエアフローは向上する。設置スペースに余裕があるのなら悪くない選択だ |
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(1)GeForce 6150搭載 マザーボード |
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ASUSTeKの「M2NPV-VM」。安価かつスタンダードな作りながら、DVI出力やテレビ出力用ブラケットも備えるオススメの1枚 |
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GeForce 6150チップセットの内蔵グラフィックス機能は、Aeroを快適に動作させるにはギリギリのレベル。それでもその存在は貴重だ |
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現在の液晶ディスプレイならDVI入力を持っていないほうがめずらしい。オンボードでも使えるのはうれしいところ |
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(2)5,000円以下の記録型DVDドライブ |
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DVD-RAMを含むほとんどのDVDメディアに対応したドライブでも、今ではこんなに安価なものも。あえてこれ以上機能の低いドライブを使用するのはもったいない |
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(3)80GBのSerial ATA HDD |
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40GBと80GBで500円しか違わないなら、ケチるだけ損というもの。しかし、さらに+2,000円で120GB、+5,000円で300GBモデルにも手が届く。安価な大容量HDDは自作PCのメリットでもあるが、総コストを考えると悩ましいところ |
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(4)400W電源付属のPCケース |
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コストを考えるとやはり電源付きのPCケースは外せない。最近のPCケースは電源なしが基本だが、まだまだ激安マシンの味方は存在している |
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CPU |
AMD Sempron 3000+ |
6,500円前後 |
CPUクーラー |
AMD Sempron 3000+付属 |
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マザーボード |
ASUSTeK M2NPV-VM |
11,000円前後 |
メモリ |
PC2-5300 DDR2 SDRAM 512MB(バルク)×2 |
14,000円前後 |
ビデオカード |
ASUSTeK M2NPV-VM内蔵 |
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HDD |
Seagate Barracuda 7200.10 ST380215A |
5,500円前後 |
光学ドライブ |
Lite-On Technology SHM-165P6S |
4,000円前後 |
PCケース |
サイズ N-880 |
8,000円前後 |
電源 |
サイズ N-880付属 |
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主要パーツの合計 |
49,000円前後 |
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さらに5,000円追加するなら、何を選ぶかというのは考えてみるだけでも楽しいところだが、Vistaを使うならやはり第一候補はビデオカードだ。ローエンドクラスのビデオカードならば、6,000~7,000円で必要最低限の機能を持ったものが手に入る。より安価なマザーボードと組み合わせてみよう。 |
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ローエンドクラスとなるGoForce 7300 LE搭載のビデオカード(写真は玄人志向のGF7300LE-LE128H:実売価格6,000円前後)。よほど表示解像度を高くしない限り、Aeroの動作には十分なレベルだ |
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Media Center対応のテレビキャプチャカードには、意外に安価なものも販売されている(メインストリームは1万円程度だが)。もしHome PremiumやUltimateをインストールしたなら、とりあえず使ってみるには手頃な価格ではないだろうか。 |
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Media Center対応のLeadtekの「WinFast PVR2000」はテレビチューナーとFMチューナーを搭載しながら、実売6,000円前後というお買い得品。最近は地デジやワンセグが人気だが、まだまだ2011年までは楽しめる! |
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今回使っているのは8,000円の電源付きPCケースだが、1万円台前半まで視野を広げると、かなりいろいろな選択肢が生まれる。電源も400Wクラスであれば、付属している製品にも困らない。逆に8,000円の電源なしPCケースに、5,000円の電源というのもありだ。やはりPCの顔は大事である。 |
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Antecの「NSK2400」。静音重視で人気の高品質microATXケースだ。380Wの静音電源も搭載しており、実売価格は12,000円前後。剛性も高く、長く使っても安心だ。十分5,000円の投資に値するだろう |
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