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用途別オススメマザーボードカタログ

TEXT：編集部　西田康一

今までのパーツをできるだけ流用

アップグレード向けマザーボード

■	購入したパーツをムダにしない

　金銭的に余裕があり、過去に買ったパーツを惜しげもなく交換できるならば、アップグレード向けマザーボードは不要だ。しかし、GeForce 6800 Ultraなど、ちょっと前のハイエンドパーツはお蔵入りにはまだ早い。でも新しいCPUは魅力があるし・・・。そんな場合の選択肢になるのがここで紹介する製品だ。

　チェックポイントの前に、まず、従来のパーツと新しいCPUが使えるだけでよいのか、それとも手持ちのものを流用した後もアップグレードをしたいのかが重要になる。チェックポイントは前者の場合は簡単で、必要とする各スロット（AGPなど）が用意されているかどうかを確認するだけでよい。後者の場合はよくばりな要求だが、AGPやDDRとともにPCI Express x16やDDR2対応スロットが用意されていることが望ましい。ただ、残念なことにこうした条件を満たす製品はそもそも種類が少なく、これ以外の部分に注文を付けることはできない。HDDインターフェースの数が多いほうが・・・などと言い出したとたんに選択肢がなくなってしまう。ただ、幸いなことに、この手の製品は安価なものが多い。CPUを換えようかどうしようか迷っているのなら、思い切ってCPU＋数千円で新環境に移行しよう。

AGPのハイエンドビデオカードを退役させるにはまだ時期が早い。DirectX 9世代ならばしっかり活用しよう

PCI Express ｘ1やx4といった拡張スロットの実装は期待できないが、現状ではなくても問題にはならない

ASRock

775Dual-VSTA

実売価格：8,500円前後

問い合わせ先：03-5812-5690（ユニスター）
URL：http://www.unistar.jp/

アップグレードはこの1枚で決まり!!

775Dual-VSTAは今までのパーツを流用し、徐々に最新パーツに入れ換えることができる。AGP 8Xに加えてPCI Express x16スロットも装備しているほか、メモリもDDR/DDR2の両SDRAMに対応している。難点と言えばSerial ATAポートが少ない、PCI Express x1スロットがない、LANが100BASE-TXである点などだが、ビデオカード、メモリの新旧規格両対応であるメリットとその価格を考えれば妥当だろう。

SPECIFICATION
フォームファクター：ATX
CPUタイプ：LGA775
チップセット：VIA PT880＋VT8237A
メモリスロット：PC2-6400/5300/4200 DDR2 SDRAM×2、PC3200/2700 DDR SDRAM×2（排他利用：最大4GB）
拡張スロット：PCI Express x16×1、AGP 8X×1、PCI×4
HDDインターフェース：Serial ATA×2、Ultra ATA/133×2
LAN：100BASE-TX×1

AGP 8XとPCI Express x16スロットが隣接しているのは異様だが、問題なく動作する

メモリはデュアルチャンネル対応のDDRとDDR2用スロットを2本ずつ装備

ASRock

ConRoe865PE

実売価格：9,000円前後

問い合わせ先：03-5812-5690（ユニスター）
URL：http://www.unistar.jp/

やっぱりチップセットはIntelでしょ

アップグレードには775Dual-VSTAが価格の面からもオススメなのだが、PC自作歴が長いと、互換チップセットや変わった構成が可能なチップセットで痛い経験をし、そのイメージが抜けない人もいるだろう。そこで登場するのが本製品。チップセットやインターフェースの構成はまったくの865PEマザーボードで、Socket478がLGA775に変わっただけだ。気分的には安心して使えるのではないだろうか。

SPECIFICATION
フォームファクター：ATX
CPUタイプ：LGA775
チップセット：Intel 865PE＋ICH5
メモリスロット：PC3200/2700/2100 DDR SDRAM×4（最大4GB）
※Core 2 Duo使用時はCL=2.5のPC3200のみ利用可能
拡張スロット：AGP 8X×1、PCI×5
HDDインターフェース：Serial ATA×2、Ultra ATA/100×2
LAN：100BASE-T×1

懐かしいAGPとPCIだけの構成。PCIカードはまだ最新の製品が発売され続けている

振り返ると3世代前のICHとなるICH5。Serial ATAが初めて搭載されたチップセットだ

ATX電源コネクタに注意

　アップグレード向きマザーボードのコーナーで紹介した製品はATX電源コネクタがどちらも20ピンの製品だ。Socket478やSocketAからのアップグレードであれば、同じ20ピンのコネクタであるため問題はないだろう。しかし、AGP対応のLGA775/Socket939マザーボードからの移行となると問題が発生する可能性があるので注意が必要だ。

　電源側の24ピンコネクタには2種類がある。それは20ピンに切り換えることができるものとそうでないものだ。20ピンに切り換えることができるものは問題ないが、そうでないものは基本的にそのままでは使用できないと考えたほうがよい。マザーボードによっては20ピンのコネクタでも4ピンをはみ出すようにして接続できるものもあるが、先に紹介した2製品は両サイドの樹脂が分厚く、24ピンを接続することはできなかった。

　しかし、中途半端に電源をアップグレードしてしまったと後悔することはない。24ピンを20ピンに変換するケーブルが500円前後で販売されているので、コレを使えばよい。該当するアップグレードを行なう場合はマザーボードと一緒に変換ケーブルをお忘れなく。