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TEXT:橋本新義 |
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ビデオカードの性能差はAeroのどこに影響するのか |
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では、Windows VistaでAeroを動作させた状態では、ビデオカードの3D描画速度は、どのような影響として表われるのだろうか? 低速なビデオカードを使った際の基本的な影響としては、3Dのゲームやベンチマークと同じ「コマ落ち」が挙げられる。とくに影響が大きいのはアニメーション効果がハデな「大きなウィンドウのドラッグによる移動」、「大きなウィンドウに対する最小化/最大化」、「フリップ3Dによるアクティブウィンドウの選択」の三つだ。とくにフリップ3Dの移行時と復帰時は、非常にハデなアニメーション処理(移行時はすべてのウィンドウがリサイズされ、並び換えられる。復帰時はその逆)が行なわれるが、低速なビデオカードではアニメーションが省略されてしまう場合もあった。また、高解像度の動画を再生している場合は、こちらもコマ落ちが発生する場合がある。
また、もう一つ特殊なのは、Windowsサイドバーのガジェット追加ウィンドウだ。このウィンドウはタイトルバー部分だけでなく、ウィンドウ内部全体にガラス効果(いわゆる半透明処理のこと。実際には単なる半透明ではなく、すりガラスのようなエフェクト)が適用されるため、処理が重くなりやすい。 |
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これがガジェット追加ウィンドウだ。背景と重なった場所にぼかしがかかっている(ガラス効果)ことが分かるだろうか |
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要注意なのはビデオメモリの容量だ。実はAeroでの動作条件にはビデオメモリ容量も入っており、さらに解像度や接続されるディスプレイの台数によって条件が異なってくる。
また比較的レアなケースではあるが、ビデオメモリの速度も影響する場合がある。VistaはAeroへと画面モードを切り換える際には、実際のメモリバンド幅(データ転送速度)を測定してチェックを行なうためだ。そして、これらの要求条件を満たしていないとAeroの動作が停止させられ、Aero非動作モードに強制的に移行される(筆者も、実ビデオメモリ16MB版のGeForce 6200 TC搭載カードで一旦有効になったAeroがOFFになる状況を経験している)。
実際にビデオカード用ユーティリティ「RIVATuner」を使って、Aero動作時でOS起動直後のビデオメモリ容量を測定してみると、1,280×1,024ドット時で約5MBほどを消費しているのが確認できた(ちなみにXPでは、約0.4MB)。これは筆者の予測だが、デスクトップのみで5MBの消費であれば、ビデオ再生やウィンドウを多数表示した状態では、32MB程度ではきつくなってきそうである。64MBというビデオメモリ容量は、動作条件レベルとして本当に最低限のものと考えてよいようだ。最近のビデオカードではほぼ問題とはならないだろうが、ビデオ機能を搭載したチップセットや古めのビデオカードでは若干の注意が必要だろう。なお、右でビデオカード別のAeroの動作の快適度をレビューしてみたので、そちらも参考にしてほしい。
余談だが、Aeroはカラーモード(表示色数)が32bit時にのみ動作する。そのため、ビデオメモリを節約するため16bitカラーを使うという手段は取れない。 |
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画面解像度と必要ビデオメモリ |
1,280×1,024ドットまで:64MB以上 |
1,280×1,024~1,920×1,200ドットまで:128MB以上 |
1,920×1,200ドット以上:256MB以上 |
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S3の新グラフィックスチップ「Chrome S20」シリーズを搭載 |
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XIAi |
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XIAiS25-DV256DDRII |
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実売価格:13,000円前後 |
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問い合わせ先:下記サイトのWebフォームから
URL:http://www.xiai.jp/ |
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VIA S3の最新グラフィックスチップ、「Chrome S25」を採用したビデオカード。Chrome S20シリーズは消費電力あたりのパフォーマンスに優れ、発熱も小さいのが特徴で、本製品ではファンレス仕様となっている。上位版のChrome S27を搭載する「XIAiS27-DV128」もラインナップされている。 |
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Windows Vista対応度
4.0 |
PCI Express
x16 |
Chrome S25 |
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コアクロック:500MHz
メモリクロック:700MHz
ビデオメモリ(バス幅): GDDR2 SDRAM 256MB(128bit)
インターフェース: DVI-I×1、Dsub 15ピン×1、VIDEO OUT×1 |
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AGP対応/ファンレス仕様のRADEON X1300搭載カード |
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HIS |
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H130H256AN |
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実売価格:13,000円前後 |
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問い合わせ先:03-3980-6442(恵安)
URL:http://www.hisdigital.com/ |
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AGP←→PCI Express変換ブリッジを採用することでAGPスロットに対応した「RADEON X1300」搭載ビデオカード。大型のアルミヒートシンクを搭載しており、ファンレスとなっている。低価格帯におけるAGP対応ビデオカードの中ではコストパフォーマンスはなかなか高い。 |
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Windows Vista対応度
4.3 |
AGP 8X |
RADEON X1300 |
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コアクロック:450MHz
メモリクロック:500MHz
ビデオメモリ(バス幅): DDR2 SDRAM 256MB(128bit)
インターフェース: DVI-I×1、Dsub 15ピン×1、S-VIDEO/HDTV OUT×1 |
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PCIスロットに対応したGeForce 6200搭載カード |
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玄人志向 |
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GF6200A-LP128H |
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実売価格:10,000円前後 |
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問い合わせ先:なし
URL:http://www.kuroutoshikou.com/ |
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最近ではすっかり少なくなったPCIスロット用のビデオカードで、最新のDirectX 9.0cに対応する「GeForce 6200」を搭載している。また、Low Profileにも対応する。メモリバス幅は64bitでメモリクロックも低めだが、PCIスロットで最新のDirectXに対応できるという意味は大きい。 |
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Windows Vista対応度
2.6 |
PCI |
GeForce
6200 |
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コアクロック:300MHz
メモリクロック:333MHz
ビデオメモリ(バス幅): DDR SDRAM 256MB(64bit)
インターフェース: DVI-I×1、Dsub 15ピン×1、S-VIDEO/HDTV OUT×1 |
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大型ヒートシンクとヒートパイプを採用したファンレス製品 |
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GIGABYTE |
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GV-RX16P256DE-RH |
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実売価格:15,000円前後 |
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問い合わせ先:03-5812-6120(リンクスインターナショナル)
URL:http://www.gigabyte.co.jp/ |
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GIGABYTE独自の冷却技術「Silent PipeII」により、ケース外から冷たい空気を取り込んでヒートシンクを冷却する「RADEON X1600 PRO」搭載ファンレスビデオカード。搭載には2スロットを必要とする。コストパフォーマンスも高く、静音性と性能、両方を重視したい人には最適な製品だ。 |
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Windows Vista対応度
4.0 |
PCI Express
x16 |
RADEON
X1600 PRO |
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コアクロック:500MHz
メモリクロック:800MHz
ビデオメモリ(バス幅): DDR2 SDRAM 256MB(128bit)
インターフェース: DVI-I×1、Dsub 15ピン×1、S-VIDEO/HDTV OUT×1 |
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低発熱と高パフォーマンスを両立したGeForce 7600 GS搭載カード |
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Leadtek |
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WinFast PX7600 GS TDH |
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実売価格:16,000円前後 |
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問い合わせ先:03-5215-5650(アスク)
URL:http://www.leadtek.co.jp/ |
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NVIDIAの最新グラフィックスチップ「GeForce 7600 GS」は消費電力と発熱の減少が特徴となっており、本製品でもファンは搭載せず、ヒートシンク+ヒートパイプのみのファンレスモデルとなっている。1スロットに収まる大きさなのもうれしい。この価格帯としてはめずらしく、DVI-I×2を備える。 |
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Windows Vista対応度
5.1 |
PCI Express
x16 |
GeForce
7600 GS |
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コアクロック:400MHz
メモリクロック:800MHz
ビデオメモリ(バス幅): DDR2 SDRAM 256MB(128bit)
インターフェース: DVI-I×2、S-VIDEO/HDTV OUT×1 |
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大型の銅製ヒートシンクを搭載したファンレスビデオカード |
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MSI |
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NX7600GT-T2D256EZ |
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実売価格:27,000円前後 |
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問い合わせ先:web@msi-computer.co.jp(エムエスアイコンピュータージャパン)
URL:http://www.msi-computer.co.jp/ |
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コストパフォーマンスに優れるグラフィックスチップ「GeForce 7600 GT」に大型の銅製ヒートシンクとヒートパイプを組み合わせたファンレスビデオカード。3D性能は1世代前のハイエンドビデオカードをしのぐほどで、最新の3Dゲームでもまったく問題なくプレイできるだろう。 |
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Windows Vista対応度
5.9 |
PCI Express
x16 |
GeForce
7600 GT |
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コアクロック:560MHz
メモリクロック:1.4GHz
ビデオメモリ(バス幅): DDR3 SDRAM 256MB(128bit)
インターフェース: DVI-I×2、S-VIDEO/HDTV OUT×1 |
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Leadtek WinFast PX7900GTX TDH Extreme(GeForce 7900 GTX)
快適度:まったく問題なし |
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重い重いと言われるAeroだが、さすがに7900 GTXでは余裕(筆者的には、7600 GS以上はあまり変わらないという印象だ)の動作だ |
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HIS H160PRQ256AN (RADEON X1600 PRO)
快適度:ほぼ満足 |
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性能的にはこのクラス以上から、Aeroの動作に対する不満がほぼなくなる。なお、PCI Express版X1600 PRO製品との差はとくに感じない |
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Albatron PC7300GS (GeForce 7300 GS)
快適度:負荷が高くなると気になる |
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ローエンドでも最新のGPUだけあって、Aeroの動作はきっちりとこなすが、ハデなアニメーションでは若干コマ落ちが発生する印象だ |
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玄人志向 GF6200A-LP128H (GeForce 6200)
快適度:もう少しパフォーマンスが欲しい |
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Aeroは動作するが、ハデなアニメーションではコマ落ちが発生。フリップ3Dの移行アニメーションも省略される |
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AOpen Aeolus FX5200-DVP64LP (GeForce FX 5200)
快適度:なんとか使えるが厳しい感じ |
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動作はするものの、大きなウィンドウのドラッグなどではコマ落ちが頻発する。だがまったく使えないというほどではない印象。なお対応度は2.5 |
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