|
|
|
|
TEXT:北川達也
|
|
|
|
全規格対応と低価格化が進む |
|
|
記録速度の向上と同時に熾烈な価格競争が行なわれてきた記録型DVDドライブだが、ここ半年でほぼ安定期に入ったと言ってよい。現在の記録型DVDドライブの価格は、メーカー製のリテールパッケージで8,000~9,000円前後、バルク品なら6,000円前後というのが相場だ。相変わらず新製品の登場ペースが速いため、型落ち品などの突発的な値下がりはあるかもしれないが、今後も新製品の価格に限っては大きな変化はないだろう。
ドライブの性能面については、民生用のすべての記録型DVD規格に対応したドライブ(以下、全規格対応ドライブ)が主流になりつつある。全規格対応ドライブは、日立LGデータストレージや松下電器産業、NEC、パイオニア、プレクスターなど人気メーカーのほぼすべてが発売中だ。DVD-RAM記録への対応は、今後、必須機能となることは間違いない。
記録速度の向上は、今後も継続されていく。DVD±Rの記録速度こそほぼ限界点と言われる16倍速に達したが、ほかの規格はまだまだ高速化の余地が残っている。DVD-RAMは、すでに16倍速規格の策定を終え、2006年には、対応した製品が登場することになるはずだ。2層のDVD±R DLは、現状の8倍速からさらに向上する予定だ。ただし、最終的な記録速度は未定。DVD±R DLの記録速度は、16倍速記録対応のレーザーが開発できるか否かによって決まることになる。DVD±RWも16倍速を目指して高速化が図られるだけでなく、2層規格であるDVD-RW DLとDVD+RW DLの規格化が進行中だ。順調なら2006年中にはDVD±RW DL対応の製品が発売されることになる。ただし、DVD±RW DLは、現状のDVD±RWと同等の光学特性が得られないため、その再生に対応した製品が必要になることを覚えておいてほしい。
また、そろそろ気になるHD DVDやBlu-ray Disc対応製品だが、著作権保護技術「AACS」の策定が遅れたため、発売開始は2006年春頃になると予想される。 |
|
|
|
【ベンチマーク環境】
次のページからは各社の最新光学ドライブを紹介するとともに、片面1層DVD-Rメディアの記録速度をNero CD-DVD Speed V4.10を使って測定している。グラフの緑のラインは記録速度、黄色のラインは回転速度を示す。いくつかの製品はラインが乱高下しているが、これは記録品質を保つために各製品が回転数やレーザーパワーを変化させている結果で、記録品質のよしあしを示すものではない。メディアは基本的に太陽誘電製の16倍速対応製品を利用しているが、これでスペック上の最高速が得られないドライブでは日立マクセル製の16倍速対応メディアを使用した。 |
|
|
|
【ベンチマーク環境】
マザーボード:ASUSTeK P5WD2 Premium(Intel 955X)
CPU:Pentium 4 660(3.6GHz)
メモリ:PC2-5300 DDR2 SDRAM 512MB×2、HDD:Western Digital Raptor WD360(Serial ATA、7,200rpm、36.7GB)
ビデオカード:MSI RX600PRO-TD128、OS Windows XP Professional SP2 |
|
|
|
DVDレコーダや業務用途でのデータ保存メディアとして活用されているDVD-RAMへの対応がここに来て急速に進んでいる。今後は必須の機能となりそうだ |
|
|
|
低価格な海外メーカー製DVD-Rメディアの中には品質の悪いものも多い。これらに対して安定した記録を行なえることも最近のドライブに求められる大切な要素となっている |
|
光学ドライブのトレンド |
・DVD±R DL、DVD-RAMの記録も含めた全規格対応ドライブが標準に
・進む高速化。書き換え型も8倍速以上を目指す
・リテールは8,000~9,000円、バルクは6,000円前後が人気ゾーン |
|
|
パイオニア |
|
|
|
DVR-A10-J |
|
|
実売価格:10,000円前後 |
|
TEL:03-3206-0678(エスティトレード)
URL:http://www.pioneer.co.jp/ |
|
|
|
DVR-A10-Jは、パイオニア初となる全規格対応ドライブ。本製品は、DVD-R DLとDVD+R DLの両方に8倍速で記録できる数少ない製品の一つだ。DVD±R DLへの8倍速記録は、メディアの仕様を超える速度で書き込むことができる「オーバースピード記録」に対応する。この機能は、8倍速対応のDVD±R DLメディアだけでなく、三菱化学メディアの4倍速対応のDVD-R DLや2.4倍速対応のDVD+R DLメディアに対しても使用できるのがうれしい。
DVR-110の名称でバルクドライブも流通しており、7,500円前後で購入できる。バルク品と純正品の違いは、静音機能の搭載の有無のみで、記録性能自体は同等。静音機能は、純正品のみに搭載されている。なお、バルク品には、DVD-RAMの記録再生に対応しないDVR-110Dも存在する。 |
|
DVD-R ×16 |
DVD-R DL ×8 |
DVD-RW ×6 |
DVD+R ×16 |
DVD+R DL ×8 |
DVD+RW ×8 |
DVD-RAM ×5 |
|
|
|
|
|
|
|
Specification |
|
インターフェース:ATAPI(Ultra DMA MODE4対応)
CD記録速度:CD-R最大40倍速、CD-RW最大32倍速
読み出し速度:DVD-ROM最大16倍速、CD-ROM最大40倍速
平均シークタイム:非公開
バッファ容量:2MB
本体サイズ(W×D×H):148×180×42.3mm
付属ソフト:PowerDVD 6、PowerProducer 3、Power2Go 4、InstantBurn、PowerBackup、Medi@Show 3、アドバンスド静音ユーティリティ
備考:写真のホワイトモデルのほか、ブラックモデルとシルバーモデルもあり
|
|
|
|
|
6分00秒 ※日立マクセル製メディア使用 |
|
|
|
|
|
|
|
ライティングソフトなどのほか、アドバンスド静音ユーティリティと呼ばれるツールも付属する。読み出し速度(回転数)などを設定できるので、DVD-Videoや音楽CDを静かに楽しみたいときに重宝するだろう |
|
|
|
|
LG電子 |
|
|
|
GSA-4167B |
|
|
実売価格:6,500円前後(リテールパッケージ) 5,000円前後(バルク品) |
|
TEL:0120-00-9796(エムヴィケー、リテールのみ)
URL:http://www.mvk-japan.com/ |
|
|
|
GSA-4167Bは、すべての民生用記録型DVD規格に対応した全規格対応ドライブ。DVD+R DLが6倍速、DVD-R DLが4倍速と2層メディアの記録速度こそ最新の8倍速記録対応の製品に劣るが、バルク品も多く流通し、価格が安価でコストパフォーマンスに優れることから人気の製品だ。
また、本製品は、DVD±Rメディアの記録速度が高速な点も特筆に値する。DVD±Rメディアへの16倍速記録は、7倍速強で記録を始めるP-CAV方式が使用され、フルCAVを採用した製品よりも高速だ。その記録時間は5分22秒と現状のトップクラスである。加えて、台湾製の安価なメディアへの記録品質、速度も良好。本製品は、DVD±Rの使用を重視し、DVD±R DLの使用をメインに考えていないユーザーには、お勧めの製品の一つと言えるだろう。 |
|
DVD-R ×16 |
DVD-R DL ×4 |
DVD-RW ×6 |
DVD+R ×16 |
DVD+R DL ×6 |
DVD+RW ×8 |
DVD-RAM ×5 |
|
|
|
|
|
|
|
Specification |
|
インターフェース:ATAPI(Ultra DMA MODE4対応)
CD記録速度:CD-R最大48倍速、CD-RW最大32倍速
読み出し速度:DVD-ROM最大16倍速、CD-ROM最大48倍速
平均シークタイム:DVD-ROM 145ms、CD-ROM 125ms
バッファ容量:2MB
本体サイズ(W×D×H):146.0×170×41.3mm
付属ソフト(リテールパッケージの場合):Nero Express 6、InCD 4など
備考:写真のホワイトモデルのほか、ブラックモデル、シルバーモデルもあり |
|
|
|
|
5分22秒 |
|
|
|
|
|
|
|
リテール品に付属するライティングソフトはNero Expressだ |
|
|
|